マクラーレン、リカルド絡みを示唆…2022年決算 大幅増収も赤字に

ダニエル・リカルド(マクラーレン)、2022年7月30日F1ハンガリーGPCourtesy Of McLaren

11月7日に発表された2022年の決算で、マクラーレン・レーシング・リミテッドが大幅な増収を果たしながらも908万ポンド(約16億8,170万円)の営業損失を計上した事が分かった。その要因の一つはダニエル・リカルドとの契約の早期解除に伴うものと思われる。

マクラーレン・レーシング・リミテッドの事業はF1を筆頭に、インディカー・シリーズやエクストリームE、フォーミュラEへの参戦、そしてヘリテージ・カーの販売など多岐に渡る。

リカルドとランド・ノリスのラインナップで臨んだ2022年のF1でマクラーレンは、22戦を通して159ポイントを稼ぎ、コンストラクターズ選手権5位でシーズンを終えた。

また、インディカーチームはパトリシオ・オワードとフェリックス・ローゼンクヴィストのラインナップで優勝2回、表彰台5回を獲得するなど成功を収めた。

エマ・ギルモアとタナー・ファウストのラインナップで初参戦を果たしたエクストリームEでは、NEOMとの間でタイトルスポンサー契約を締結した。同社は2023年にマクラーレンが初参戦を果たしたフォーミュラEにおいてもスポンサー契約を締結した。

グループとして計1,458ポイント、ポールポジション5回、優勝7回、表彰台18回を獲得した好調なシーズンでマクラーレンは、2021年と比較して1億1,652万ポンドの増収となる3億2,789万ポンド(約606億円)の収益を上げた。

これは新たなスポンサーの獲得や、ホスピタリティ事業水準がコロナ以前に戻った事、そして参戦初年度を迎えたインディカー事業が主な理由だ。

2021年末にマクラーレンはシュミット・ピーターソン・モータースポーツの75%の株式を取得。マクラーレンSPとして参戦した2022年に1,635万ポンド(前年はゼロ)を売り上げた。

大幅な増収を達成した一方、2021年の3,265万ポンドに比べれば大きく改善したものの908万ポンドの損失を計上した。

まだ1年が残っていたにも関わらず、マクラーレンは本人の同意を取り付け2022年末を以てリカルドとの契約を打ち切った。契約解除に伴い、2022年の赤字分の概ね倍額がリカルドに支払われたと見られている。

損失の要因についてマクラーレンは「インフレ圧力、1回限りのドライバー関連費用、コロナ以前のホスピタリティ水準への回帰に関連するコスト増」を挙げた。

とは言え、リカルド関連の支出は2023年に発生する予定であった金額の前倒しという側面が強く、後任として今季よりマクラーレンに加わった新人オスカー・ピアストリの年俸はリカルドのそれと比べれば微々たるものだ。

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