マクラーレンF1、マシン掲載のスポンサーロゴをリアルタイム変更…アメリカGPより先端技術を採用
マクラーレンは10月20日(木)、シームレス・デジタル社との新たな独占契約を発表した。これに伴いMCL36にはF1アメリカGPより、スポンサーロゴをリアルタイムに変更できる最新のデジタル広告技術が搭載される。
これはマシンにディスプレイを搭載し、ロゴを含めたブランディングを動的に変更するもので、スポンサー契約の多様化と収入増の可能性を秘めている。市場や法規制に合わせてF1チームがグランプリ毎にロゴやグラフィックを変更するのは日常茶飯事の光景だ。
デジタルサイネージ=電子看板のF1マシンバージョンといったところだが、安全性を含めた技術面での要求レベルは遥かに高く、モータースポーツ界での採用はこれが初となる。
今回はMCL36のコックピット周辺に2台のデジタルパネルが設置され、今週末のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)での金曜フリー走行でお披露目される。金曜フリー走行のみの使用とはなるが、2022年シーズン末まで試験的な運用を行うようだ。
マクラーレンはインディカーやエクストリームE、そして2023年から新規参戦するフォーミュラEなど、他のレース活動においてもこのシステムを採用する事を検討している。
ネットワークを介する事が可能であるため、エンジン回転数やラップタイム、ドライバーの心拍数、トラックポジションを表示するなど将来的な応用の可能性も高く、興味深い事例となりそうだ。
このシステムについてシームレス・デジタルのマーク・ターナーCEOは「状況に応じたメッセージの伝達」を可能にするものであり、「マシン・ブランディングとモーターレースのアセットを柔軟に活用していくための始まりに過ぎない」と述べた。
「この技術がF1マシンで機能することが確認されれば、F1を含めたモータースポーツ、ゴルフ、米国内のスポーツ、そして最終的にはより広範なメインストリームにおける広告市場を大きく揺がす事に繋がる」
シームレス・デジタル社はF1の塗装・コーティング市場で最も大きなシェアを持つシルバーストン・ペイント・テクノロジー(SPT)の傘下企業だ。今シーズンはF1グリッドの70%がSPTのサービスを受けている。