レッドブルのディートリッヒ・マテシッツCEO
Courtesy Of Red Bull Content Pool

レッドブル総帥、ホンダを大絶賛「チーム史上初めて競争力のあるエンジンを手に入れた」

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レッドブルのディートリヒ・マテシッツ総帥は、今年のレッドブル・レーシングとスクーデリア・トロロッソは、チーム史上初めて「競争力のあるエンジンを手に入れた」との認識を示し、文字通りホンダを大絶賛した。

「テスト結果は、クルマの性能及びホンダの仕事の両方に関して、我々の前向きな期待を裏付けるものだった」とマテシッツ総帥。新しいエンジンサプライヤーの仕事ぶりとマシンの開発状況を視察するために、世界的な大富豪として知られるレッドブルの創業者は、オーストリアからスペインへと飛んだ。

レッドブル・レーシングは過去これまでに、コースワースとフェラーリ、そしてルノーエンジンを搭載。中でも12年間に渡ってパートナーシップを続けてきたルノーとは、2010年から4年連続でF1ワールドチャンピオンに輝いた。だがマテシッツは、今年のホンダ製F1パワーユニット「RA619H」は、選手権4連覇を成し遂げた時のフランス製エンジンよりも高い競争力を秘めていると述べた。

「ホンダとの協力関係には非常に満足している。これは多くの成功を約束するものだ。我々は初めて、競争力のあるエンジンを手に入れたのだ」

ライバルに引けを取らないパワフルなエンジンを渇望していたのは、マテシッツ総帥だけではない。クリスチャン・ホーナー代表は、空力の鬼才としてF1界に名を轟かせているエイドリアン・ニューウェイが仕事への情熱を取り戻したのは、ホンダとの提携があったからだと語る。

「ホンダと提携した事で、ファクトリー内には競争への飽くなき欲望とレーシング本能が渦巻いている。これは真のパートナーシップだ。レッドブルとホンダのエンジニア達は、技術的解決策を見出すために懸命に仕事に取り組んでいる」

「エイドリアンは、心の底からエンジンの馬力を求めるデザイナーだ。彼は新しいパートナーシップに非常にエキサイトし、日本のHRD-Sakuraに足を運んで、ホンダエンジンへの移行がスムーズに進むよう全力でサポートしていた」

1.6リッターV6ハイブリッドターボが導入された事で、マシンパフォーマンスに占めるエンジンの役割が増大。これに伴いニューウエイはF1への興味を失い、2015年を最後に一線を退いていた。一時は引退も囁かれた程であったが、ホンダとのパートナーシップ開始を前に闘志が再燃。RB15の設計に全面関与する形でF1の表舞台へとカムバックした。

マテシッツ総帥は「エイドリアンは再びやる気を取り戻した。今後も長い間F1に残るだろう」と述べ、類まれなる才能が今後も末永くレッドブルに留まり続ける事を約束した。