フェルスタッペンはもう少し「外交的」に振る舞えたはず、とヘルムート・マルコ

レッドブルRB19の上に立ち優勝を喜ぶマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年11月18日(土) F1ラスベガスGP(ラスベガス市街地コース)Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1ラスベガスGPを痛烈に批判していたマックス・フェルスタッペンについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、対立を避けて平和的な解決を目指すこともできたはずだと考えている。

フェルスタッペンの母国オランダの「De Telegraaf」によると、自身もまた歯に衣着せぬ率直な人物として知られるレッドブルの取締役は「マックスはとても率直だが、もう少し外交的に物事を言えただろう。だが主催者は今、彼に大いに満足していると思う」と語った。

「それにシーズンの終わりに来たことも考慮しなければならない。誰もが疲れていて時差ボケに悩まされており、目の下にはクマができていた」

「マックスは通常、あらゆるマーケティングやPRに関わる面倒事を好まないが、スポンサーの80%はアメリカ人で、全員がここにいた。もっとシーズンの序盤の方にここに来ていたなら、彼の反応も違ったものになっていたと思う」

Courtesy Of Red Bull Content Pool

写真撮影するヘルムート・マルコ(レッドブル・レーシング顧問)、リンゼイ・ボン、クリスチャン・ホーナー(レッドブル・レーシング代表)、2023年11月18日(土) F1ラスベガスGP(ラスベガス市街地コース)

3度のF1王者は週末を前に、F1がその歴史上、初めて主催者となり、5億ドル(約750億円)以上を投じたラスベガスGPを「99%がショーでスポーツイベントとしては1%」と表現し、豪華なオープニングイベントでは自身がまるで「ピエロ」のようになったようだと嫌悪感を示した。

そして、警備スタッフのシフト終了と共に会場からファンを締め出し、代わりに200ドル分の商品券を配ったF1と主催者の対応に”拝金主義”のレッテルを貼った。

しかしながら、僚友セルジオ・ペレス、そして幼少期からのライバルであるシャルル・ルクレール(フェラーリ)との刺激的なバトルに打ち勝ちF1ラスベガスGP初代ウィナーに輝くと、そのウイニングランで「ビバ・ラスベガス」を歌い、エルヴィス・プレスリー仕様のレーシングスーツを着て表彰台の頂点に立った。

考えを完全に改めたというわけではないだろうが、刺激的なレースを制した後のフェルスタッペンは明らかにトーンダウンした。レースを振り返ったフェルスタッペンは「間違いなく楽しかった」と述べ、イベントは大成功だったと言えるか?と問われると「そうだね、凄く楽しいものになったと思う」と返した。

無線でプレスリーの楽曲を口ずさんでいたが、ラスベガスGPに対する否定的な見解を変えたのか?と問われると「良いレースになるとは思ってたよ」と答えた。

「その事を懸念した事は一度もないし、今日は楽しかった。それについて言いたいのはこれだけだ。みんなが楽しんでくれたことを願ってる。クリスチャン(ホーナー)から振られたから歌わないわけにはいかないでしょ!でも、間違いなくレッスンが必要だね」

行き過ぎだとしてF1首脳陣から厳重注意されたのだろうか?レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表は、実際のレースを通して自らの考えを変えたのだと否定した。

「私は常に、レースを終えた後に結論を出すべきだと言ってきた。そしてレースは素晴らしかった」とマルコは語った。

「マックスがラップ毎に他のドライバーを追い抜いていく様は信じられないほどだった。ミディアムタイヤに関しては事前にもっと上手くやれるだろうと考えていたが、実際にはそうではなかった。ただその一方で、最も硬いコンパウンドに関しては予想より良かった。これが大いに役立った」

フェルスタッペンはイベントそのものだけでなく、コースレイアウトについても否定的だった。初日プラクティスを経てコースは楽しめたか?と問われると躊躇なく「ノー」と一刀両断した。

フェルスタッペンの父ヨスは「マックスが鈴鹿のようなサーキットを好むのは理解しているが、時にはあまり楽しくないサーキットも存在する。最終的にレースは本当に素晴らしかった」と語った。

F1ラスベガスGP特集

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