赤裸々…角田裕毅のチームメイト決定の裏話を明かすレッドブルのマルコ、にじみ出る後悔
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レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが2023年の角田裕毅のチームメイト決定の裏話を明かした。曰く、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表はニック・デ・フリースの起用に反対していたが、その評価はおそらく正しかったとマルコは認めた。
デ・フリースとの契約を主導したのはマルコだった。昨年末、経験と性格を引き合いに出し、フォーミュラEとFIA-F2選手権を制し、数々のメルセデスF1パワーユニットマシンをドライブしてきたデ・フリースの方が角田裕毅よりチームリーダーに相応しいとさえマルコは主張していたが、ホーナーは彼の将来性に否定的だった。
ポッドキャスト「Inside Line」に出演したマルコは、ドライバーの決定に際してホーナーと意見が食い違うことはよくあるのか?との質問に対して「あまりないが、そういう時もある」と答え、ホーナーが最後に異議を唱えたのはどのドライバーか?と尋ねられると少し間をおいて「デ・フリースかな。今のところ、彼(ホーナー)は正しかったように見える。彼はデ・フリースのファンではなかった」と返した。
本質的に言えばマルコの発言は、少なくとも現時点において自身の判断が間違っていたと認めるに等しいものだと言える。
注目の大型ルーキーとしてF1に転身したものの、デ・フリースは予選・決勝を含むほぼ全てのセッションでチームメイトの後塵を拝しており、角田裕毅は早々にアルファタウリのナンバー1ドライバーとしての地位を確立した。
マルコのコメントから察するに、開幕8戦を終えてローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並び、唯一無得点のデ・フリースのシートは現時点で安泰とは言い難く、リアム・ローソンや岩佐歩夢らジュニアドライバー、またはダニエル・リカルドに奪われる可能性は十分にあると言えそうだ。
マルコはまた、アルファタウリのフランツ・トスト代表がミック・シューマッハの起用を望んでいた事を認めた上で「ミックはキャリアを通じてフェラーリ・アカデミーに在籍していた」「基本的にアルファタウリはジュニアチームなのだ。デ・フリースはシューマッハとは異なり、大成功を収めたモンツァでの1レースしか経験しておらず、我々のフィロソフィーに合致していた」とも明かした。
レッドブルとアルファタウリのドライバー人事はかつて、マルコとレッドブルの総帥ディートリッヒ・マテシッツが主導権を握っていたが、マテシッツの死去を経て今はチーム代表を含む経営陣が決定に大きく関与する形に改められた。