狙うに決まってる…フェルスタッペン信用皆無、ニュル走行禁止の理由を説明するマルコ
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レース契約を持たないセバスチャン・ベッテルやダニエル・リカルドに関しては理解できる。後者に関してはむしろこれが役割だ。だが、同じようにF1レースシートを持つ角田裕毅が許可されて、何故マックス・フェルスタッペンは独ニュルブルクリンクでのイベント参加を禁止されたのだろうか？
9月9日に開催される「レッドブル・フォーミュラ・ニュルブルクリンク」ではベッテルが持続可能燃料を搭載した2011年型「RB7」を、リカルドが2012年型「RB8」を、そしてアルファタウリの現役F1ドライバーである角田裕毅がホンダ「NSX GT3 Evo」でニュルの北コース、ノルドシュライフェをデモ走行する。
ニュルブルクリンク・ノルトシュライフェの空撮画像、2018年ニュルブルクリンク24時間レース
3連覇街道まっしぐらの現役F1王者は、世界屈指の難コースでのF1ドライブを熱望したものの、曰くレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコに「ダメだ、ダメだ、そんなことするな！」と反対されたために、参加する事が叶わなかった。
なぜマルコは角田裕毅に許可を与え、フェルスタッペンに対しては参加を禁じたのか？ それはマルコが、レースへの情熱や腕前については別として、レコード更新に興味がないとするフェルスタッペンを一切信用しておらず、その誘惑に勝てるとは考えていないためだ。
セッションを終えてレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコと談笑するマックス・フェルスタッペン、2023年6月2日F1スペインGPフリー走行
ポッドキャスト「Inside Line」の中でマルコは「マックスのことは分かっている。記録なんて気にしないと言っているが、彼は秒単位でレコード記録を知っているし、あそこを走るのであれば、ただそれを破るのではなく、徹底的に破りたいと思うはずだ」と語った。
ノルドシュライフェのF1最速ラップは1975年のドイツGP予選でフェラーリ312Tをドライブしたニキ・ラウダが持つ6分58秒6だ。全車種対象では2018年にティモ・ベルンハルトがポルシェ919ハイブリッドEvoに乗り、73コーナーを持つ全長約20.832km、高低差300mのコースを5分19秒546で駆け抜けている。
”緑の地獄”と称されるノルドシュライフェでは1928年以降、69名のドライバーとライダーが事故死している。レコード更新を狙うようなアグレッシブな走りをすれば何が起きるか分からない。
バンピーでクルマがジャンプするような路面を持つノルドシュライフェで、単なるショーラン仕様のクルマを駆りレコード更新にトライするのは「ハイリスクだ」とマルコは指摘する。
「彼は『ああ、やらないよ』と言うだろうが、それでもクルマに乗ったらすぐに狙いにいくだろう」