”絶望的”なデ・フリースは「将来を賭けてレースをしている」とマグヌッセン、2戦連続3回目の交錯
Published:
F1オーストリアGPでの一件についてケビン・マグヌッセン(ハース)は、「絶望的な状況」にあるニック・デ・フリース(アルファタウリ)が「自分の将来」のために無鉄砲にプッシュした結果、生じたものだと考えているようだ。
レッドブル・リンクのレース折返しを過ぎたところでデ・フリースは、15位争いを繰り広げていたマグヌッセンをターン6でコース外に追いやったとして、5秒のペナルティとキャリア初となる2点のペナルティポイントを科せられた。
マグヌッセンは無線を通して「デ・フリースがまた俺を完全に押し出しやがった。クソッタレ!」と不満をあらわにした。
両者が交錯したのはこれが初めてではなかった。角田裕毅(アルファタウリ)のデブリ回収ために導入された序盤のセーフティーカー(SC)からのリスタート直後、マグヌッセンはターン4でデ・フリーズにグラベルへと追いやられた。
また前戦カナダGPでは、12位争いを繰り広げていた最中にホイール・トゥ・ホイールで接触した後、ターン3のブレーキングでロックアップしたデ・フリースに巻き込まれ、揃ってエスケープゾーンで立ち往生した。
最終18位に終わったレースを経てマグヌッセンは、静かな口調で「高速でグラベルに突っ込んでしまった。ターン6でデ・フリースに突き飛ばされてね」と振り返り、その後は「ペースが本当に悪かった」と述べ、フロアにダメージがあったかどうかを確認する必要があると語った。
「押し出されれば何であれイライラするさ。ここ数戦の彼はかなりハードにプッシュしてる。しょうがない」
重ね重ねの小競り合いだけに、デ・フリースと話し合う必要があると思うか? と問われると「いや」とだけ答えた。
角田裕毅よりリーダーに相応しいとのヘルムート・マルコの期待を背負って初のF1フルシーズンに臨んだものの、デ・フリースはこれに応えるパフォーマンスを発揮できておらず、2023年シーズン中にシートを失う可能性がある。
マグヌッセンは、シート喪失のプレッシャーがデ・フリースのパフォーマンスに影響を与えていると考えているようだ。
英「Autosport」によると、F1デビューから僅か1年でマクラーレンのレースシートを喪失した経験を持つ30歳のベテランライバーは「彼は自分の将来を賭けてレースをしている。多分、少し絶望的な状況にあるんだと思う」と語った。