2021年9月11日にモンツァ・サーキットで行われたF1イタリアGPスプリント予選1周目のターン1をトップで通過するレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン
Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

ホンダF1、モンツァで30年ぶりのポールポジション!戦略を巡るライバルの出方を警戒する田辺TD

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ホンダF1エンジン勢は9月11日(土)のF1イタリアGPスプリント予選でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2番手を獲得し、日曜の本戦でのポールポジションを獲得した。

3番グリッドのフェルスタッペンはスタートでルイス・ハミルトン(メルセデス)を交わして2番手に立つと、その後は無理をせず先頭のバルテリ・ボッタス(メルセデス)をフォロー。2番手でチェッカーフラッグを受け、2点のチャンピオンシップポイントを手にした。

トップチェッカーのボッタスがエンジン交換ペナルティーでグリッド降格を受け最後尾に下がる事から、フェルスタッペンが明日の決勝レースのポールポジションを獲得する事となった。

ホンダF1にとっては、アイルトン・セナ(マクラーレン・ホンダ)がナイジェル・マンセル(ウィリアムズ)を抑えて最上位グリッドを獲得した1991年のイタリアGP以来となる30年ぶりのモンツァでのポールポジションとなった。

フェルスタッペンとタイトル争いを繰り広げるハミルトンは5番手に終わり、決勝でのライバルの「楽勝」を予想したが、フェルスタッペンは「少し楽観的だと思う」と反論。慎重な姿勢を見せている。

昨年のモンツァウィナー、アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーはスタート直後に2台を抜き去り5番手に浮上するも、フェルスタッペンとの接触を避けるべくバックオフしたダニエル・リカルド(マクラーレン)の左リアホイールとターン1で接触した。

この影響でフロントウイングが脱落してターン3でコントロールを失い、グラベルを乗り越え車体左側からバリアに激突。無念のリタイヤに終わった。

決勝レースは最後尾からのスタートと厳しい戦いを強いられるが、ガスリーは「明日の目標は当然、ポイント獲得」であるとして入賞を諦めていない

フェルスタッペンのポールポジションについてホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは「非常によい結果」と評し、スタート直後の接触によってリタイアしたガスリーについては「本当に残念」と振り返った。

もう一台のRB16Bをドライブしたセルジオ・ペレスはスタート直後に2ポジションを落とすも、ガスリーのDNFとランス・ストロール(アストンマーチン)へのオーバーテイクを成功させたことで、スタートポジションと同じ9番手まで挽回した。

ストロールとの攻防に際してはターン1をショートカットしてアドバンテージを得た場面があり審議が行われたが、スチュワードは「ペレスは自らが得たアドバンテージのすべてを返した」としてお咎めなしの裁定を下した。

アルファタウリの角田裕毅もスタート直後にロバート・クビサ(アルファロメオ)と接触してフロントウイングを破損。交換のために緊急のピットインを余儀なくされた事で最後尾に転落したものの、8周目のターン1でニキータ・マゼピン(ハース)を交わす等して16番でフィニッシュした。

角田裕毅は一件について「悔しい1日になった」とフラストレーションをあらわにした

田辺TDはスプリント予選を「2つのチームで明暗が分かれた」と総括した上で、決勝レースについては「本日の結果を見直した上で、各チームはさらに戦闘力を上げるべく色々な検討を加えた戦略を立てて臨んでくるはず」だとして「4台が良いレースを戦えるよう準備して臨みたい」と意気込んだ。

2021 FIA-F1世界選手権 第14戦イタリアGP決勝レースは9月12日(日)日本時間22時にモンツァ・サーキットでグリーンフラッグを迎える。

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