
4度の王者に牙を剥いた「セーフモード」フェルスタッペン、Q1クラッシュの真相/F1オーストラリアGP予選
2026年F1開幕戦オーストラリアGPの予選Q1で、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)を単独クラッシュに追い込んだ要因が判明した。4度の世界王者はターン1への進入時、突如リアがロックし、なす術なくウォールへと吸い込まれた。
ギアボックスの破損など、機械的トラブルを疑う声もあったようだが、チーム代表のローラン・メキーズが「非常に激しく異例なものに見えた」と語ったこの事故の原因は、新世代パワーユニットの制御ソフトウェアの誤作動だった。
守るためのシステムが、牙を剥いた
クラッシュの引き金となったのは、パワーユニットのエネルギー回生を司るERSシステムだ。オランダの専門メディア『RacingNews365』によると、エンジン回転数と後輪への動力伝達状況を読み取るソフトウェアにバグがあり、フェルスタッペンがシフトダウンした際に不具合が発生した。
システムは異常な回転数が発生したと誤認し、瞬時にセーフモード(保護機能)に移行。これに連動して強烈なエンジンブレーキが介入し、ドライバーの意思とは無関係にリアが完全にロックしたという。後輪の制動を担うブレーキ・バイ・ワイヤが原因ではなかったとされる。
なおフェルスタッペン自身は、「ダウンシフトする前から問題は起きていたと思う」と証言している。
電動出力比率が大幅に増えた新世代パワーユニットの導入により、今季はドライバーのブレーキングスタイルも大きく変化している。コーナー進入前にリフト&コーストやスーパークリッピングでエネルギー回生を行うため、多くのコーナーで従来ほど強くブレーキを踏まないケースが増えている。
新時代の幕開けに技術的なトラブルは付きものだ。今回の一件は、新しいエネルギー回生システムがまだ開発初期段階にあることを示す出来事でもあり、また同時に、ソフトウェアのわずかな不具合がドライバーを致命的な状況に追い込む可能性があることを浮き彫りにするものだった。
レッドブルにとっては、決勝に向けて破損したRB22の修復だけでなく、このバグをどう封じ込めるかが焦点となる。レースまでに原因を特定できればよいが、そうでなければ極めて危険なリスク要因となりかねない。