動画:ワーゲン ID.Rがグッドウッドで20年ぶりに最速記録を更新、99年のマクラーレンF1「MP4-13」を超える
フォルクスワーゲンの電動レーシングカー「ID.R」が、2019年のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで20年ぶりにレコードを更新。ステアリングを握ったロマン・デュマがヒルクライムで39.90秒を記録した。
1.86kmのヒルクライムでの史上最速記録を保持していたのは、1998年のマクラーレンF1マシン「MP4-13」。ニック・ハイドフェルドが99年に刻んだ41秒6のラップタイムは、20年間に渡ってヒルクライムのレコードタイムとして記録され続けてきた。
ロマン・デュマとニック・ハイドフェルド
ツインモーターを搭載するID.Rは、最大出力670馬力、最大トルク650Nmを発揮。ドライバーを含めた車重は1,100kg以下に収まり、0-100km/h加速は2.25秒を誇る。パイクスピーク2018では、ルマン24時間ウィナーとして知られるロマン・デュマが7分57秒148を記録してレコードを更新。先月3日には、独ニュルブルクリンク北コースで6分5秒336(平均速度204.96km/h)をマークして、同コースにおけるEV最速記録を打ち立てたばかりだ。
VWは昨年のグッドウッドで、記録更新のためにID.Rを投入し43秒5でEV記録を達成するも、コースレコードの更新には及ばなかった。そのため今年はバッテリーを小型化するなどしてパッケージを修正。軽量化された車重は1,000kgを下回った。イベント2日目に41.18秒を記録して20年ぶりの更新を果たすと、翌3日目には39.90秒をマーク。20年前のF1マシンの記録を塗り替えた。
グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードは、1993年に初開催されたモータースポーツイベントで、歴史的価値あるヒストリックカーの祭典としては世界最大級のイベントとして知られる。毎年何百台ものクルマがイングランド南部のチチェスター郊外に集結し、10万人以上の参加者がこれに酔いしれる。
イベントの目玉の一つはグッドウッドヒルクライム。4.9%の勾配を持つヒルクライムコースを走行する。デモンストレーションの意味合いが強いものの、レーシングドライバー足る者は最速タイムの可能性がある限りそのチャンスに挑む。