メルセデスのルイス・ハミルトンとレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1シュタイアーマルクGP予選後のグリッドにて
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低速・低全開率のハンガロリンク、レッドブル・ホンダを警戒するメルセデス「倒すのは非常に難しい」

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メルセデスAMGのトト・ウォルフ代表は開幕3連戦の最後のイベント、7月17日金曜に初日を迎えるハンガリーGPでレッドブル・ホンダを倒すのは「非常に難しい」との考えを示した。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で史上最多22戦が予定されていたカレンダーは白紙撤回された。未だ全てのスケジュールが確定しているわけではないが、シーズンの中でクルマに最も高いダウンフォースが要求されるのはハンガロリンクとなる見通しだ。

ハンガロリンクのエンジン全開率は62%程で、これより低いのは低速コーナーが特徴のシンガポールとモナコのみだが、この2つのイベントは新型肺炎の影響でカレンダーから脱落している。レッドブル・リンクでの2戦で明らかなように、レッドブル・ホンダRB16は低速のパフォーマンスが高いだけに手痛い。

ストレートが1本しかなく、うねるような連続コーナーが特徴のハンガロリンクの最高速度は時速318kmに過ぎず、F1サーキットの中で最も低いコースの1つだ。F1マシンがハンガロリンクを1周する間、ストレートを走行するのは僅かに10秒程度で、残りの65秒程度は低中速を主体とするコーナリングに費やされる。

ハンガロリンクのコースレイアウト図、2018年版

トト・ウォルフ代表はハンガロリンクでのイベントに先立って「2連勝というと、勢力図がハッキリしたように聞こえるかもしれないが、それは真実とは程遠い」と語った。

「まだ1種類のサーキットを走っただけであり、何かを推測するには時期尚早だ。次のハンガリーでのレースはまた違ったシナリオになるだろうし、チャレンジングな戦いが予想される」

「ハンガロリンクは常にレッドブルに向きであり、彼らは今年も低速コーナーで強さを発揮している。彼らを倒すのは非常に難しいだろう」

「ハンガロリンクは2020年シーズンの中で最もダウンフォースが高いコースになるだろう。故に、このコースでどのチームのエアロパッケージが最も高い効果を発揮するのか興味深いところだ」

トト・ウォルフはレッドブル・ホンダ優勢を口にするものの、開幕戦ではバルテリ・ボッタスが、そして続くシュタイアーマルクGPではルイス・ハミルトンが勝利を収めており、メルセデスの勢いは侮れない。

「ここ数年の我々は、シュピールベルクでベストなリザルトを残せていたわけではなかったから、ハンガリーGPに向けて2勝を挙げ、大量のポイントを手にすることができて本当に気分が良い」とトト・ウォルフは続ける。

「第2レースに向けては信頼性に関する問題の解決策を見出す事に注力してきたが、それを限られた時間内に実現できたのはチームの素晴らしい努力の賜物だ。おかげで現場の士気は上がり、最終的には日曜日に1-2フィニッシュを果たすことができた」

「ドライバーも素晴らしい仕事をしてくれた。雨の中でのルイスのポールラップは、私がこれまでに見た中で最高のものの1つだったし、レースでの彼のパフォーマンスは完璧だった。バルテリは土曜日に苦労したが、日曜日にはチャンピオンシップのダメージを最小限に抑えてみせた」

レッドブル・リンクでの第1レースでは、攻撃的な縁石がメルセデスのギアボックスを脅かした。ハンガロリンクの縁石もまたマシンに過酷なものではあるが、コーナリングスピードが低いため大きな障害となる可能性は低い。更にハミルトンは、ハンガリーGPで過去7勝を誇るほどこのコースを得意としている。これはモントリオールのジル・ビルヌーブ・サーキットと並び、キャリアベストの勝利数だ。

F1ハンガリーGPは、日本時間7月17日(金)18時からのフリー走行1で幕を開ける。

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