ホンダF1、スペインGP後のテストで新スペックエンジンに関する試験を実施。第7戦カナダGPでの投入が濃厚?

トロロッソ・ホンダSTR13のエンジンカバーにプリントされたホンダのロゴcopyright Honda

ホンダF1のパフォーマンスエンジニアを務める湊谷圭祐は、第5戦スペインGP後に行われるインシーズン・バルセロナテストにおいて、新スペックエンジンに関する幾つかの新しい試みを実施する事を明らかにした。15日(火)から開催される2日間のテストでは、通常の練習走行時とは異なり、パワーユニットの開発により多くの時間を割くことが可能となる。

「近々新しいスペックを導入する予定になっています。それに関連して、幾つかの新しい項目を2日間のインシーズンテストで試します。トロ・ロッソ側も多くのテスト項目を予定しているはずなので、どちらを優先度するかについては、話し合う必要がありますけどね」

今季初のシーズン中テストは5月15日(火)、16日(水)の2日間に渡ってカタロニア・サーキットで行われる。各チームはスペインGP決勝レース終了後にそのままバルセロナに留まりテストに臨む。トロロッソ・ホンダはテストに、レギュラードライバーのピエール・ガスリーと、昨年テストドライバーを努めたショーン・ゲラエルを起用。ゲラエルは初日5月15日(火)を、ガスリーは2日目の16日(水)を担当する。

ホンダはパワーユニットの開発段階を表すために、内部的に”スペック〇〇”という呼称を用いている。ゼロからの新設計エンジンを投入した昨年2017年には、計4つの大型アップデートを施したが、今シーズンはエンジン交換に関する規約が厳格化され、年間に3基以上の交換を行った場合、グリッド降格ペナルティが科せられる。

「新しいスペックのエンジンを導入する場合には、当然、通常よりも多くの時間が必要となります。現時点では夏に新たなスペックを投入する予定で、それに向けた準備は開幕戦が終わった直後から始めています。だいたい、2~3カ月かけて準備しているのですが、多くの時間が必要となります」

規約から単純計算すると、7レースを一つのコンポーネントでやりくりする必要があるため、第7戦カナダGP、第13戦ベルギーGP、第17戦日本GP辺りがエンジンアップデート投入の一つの目安と考えられる。開幕オーストラリアは3月25日。2ヶ月後のグランプリは第6戦モナコGPとなるが、モンテカルロ市街地コースはエンジンパワーを必要とするサーキットではないため、最新PU投入は早くとも翌カナダGPと考えられる。

ホンダは来季からの2年間、トロ・ロッソの親チームにして2010年から2013年にかけてドライバーズとコンストラクターズの両部門4連覇を果たしたレッドブルへのエンジン供給を検討している。現在同チームにPUを供給するルノー側は、5月末日までに現行の契約を更新するかホンダに切り替えるかを決断するようレッドブルに働きかけているが、レッドブル側はこの要請を拒否している。

スペインGPのためにカタロニアに姿を現したレッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは英Skyに対して、5月中に将来の決定を下すつもりがない事を明言。決定は早くとも”6月”以降になると述べた。レッドブルがホンダの最新仕様のエンジン性能を確認してから決断を下したいと考えている事は想像に容易い。

テスト日程と担当ドライバー

今年のカナダGPは6月10日に決勝レースが行われ、その翌戦フランスGPも6月の開催ではあるものの、今年10年ぶりのF1復帰とあって、ホンダが持つポール・リカール・サーキットに関するデータは、2016年のウエットタイヤテストの時のものに限られる。他のレース週末よりも慌ただしいセッションになることが予想されるだけに、フランスGPでの新スペック投入は考えにくい。

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