ハミルトン、依然裁定を支持するも「セブ以上のドライバーはいない」”長年の戦友”を思いやる
メルセデスAMGのルイス・ハミルトンはカナダGPでの逆転優勝を振り返り、依然としてセバスチャン・ベッテルに対するスチュワードの裁定を支持する姿勢をみせたが、ジュニア時代から10数年来に渡る長年のライバルの心境を思いやり、温かい言葉を口にした。
背後からのプレッシャーに敗れたベッテルは、コーナーへのアプローチに失敗し、芝生を通り抜けてコースに復帰するも、この動きが危険行為とみなされ、5秒ペナルティによって勝利を逃す事となった。ベッテルはレース後、ポジションボードを入れ替えるなどして、この裁定に明らかな不満をぶつけているが、ハミルトンに対して敵意を向けているわけではなかった。
ベッテルは、観客がハミルトンにブーイングを飛ばした事を「止めるよう」に訴え、ハミルトンはポディウムの壇上でベッテルを自分と同じ表彰台の頂点に立つよう促した。
「僕らは何年にも渡って一緒にレースをしてきたが、僕がコース上で競い合ってきたドライバーの中で、彼以上にバトルを楽しめたドライバーは存在しないと思う」2007年にF1デビューしたハミルトンは、決勝後の公式プレスカンファレンスでこのように語った。
「僕は常に今日やこれまでのような素晴らしいバトルを楽しんできたし、そういった思い出は僕にとって大切なものだし、それは今後も変わらないと思う。今後も更に彼とこういったバトルが出来ることを祈ってる。いや、そうなるようにしなきゃね」
最終的にレース勝者に輝いたものの、ハミルトンは、ベッテルと同様の状況に見舞われれば、自分であっても同じようにドライブしただろうと語る。
「僕が言えるのは、仮に僕がレースをリードしていて同じようにミスを喫してワイドに膨らんでしまったとすれば、同じようにしただろうということだけだ。それは一瞬の出来事だし、なんとしてもポジションを守ろうとするだろう」
「でも、僕としては再びあの状況に出くわせば、今回と同じように彼にプレッシャーをかけようとしたはずだ。今回起こった事はそういうことであり、僕の意見は(レース中もレース後も)変わってはいない」
「もしルールがなければ僕らはクラッシュしていただろうし、いずれにしても上手くいかなかったはずさ」
「リプレイを見てあの時のデータも見返したけど、僕はターン4の出口でブレーキをかけなきゃならなかった。潜在的な危険があったからね。もしあそこでブレーキをかけていなかったら衝突していたはずだ」