ハジャー、完璧発進を切り裂いた「V8スーパーカーの異音」レッドブル初陣は表彰台ならずDNFに/F1オーストラリアGP決勝

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2026年シーズンの幕開けとなったF1開幕戦オーストラリアGP。予選3番手という絶好のポジションを得ながらも、アイザック・ハジャー(レッドブル)の夢は、決勝レースのわずか数kmであまりにも残酷な終わりを迎えた。レース後、率直な気持ちを尋ねられると、少し間を置いてこう語った。

「どれだけの数の問題がマシンに起きていたのか……もう数えきれないくらいだ。楽しくなかった」

完璧な蹴り出しで首位争いに加わった直後、ハジャーの耳に届いたのは、マシン崩壊のカウントダウンを告げる異音だった。

レッドブルでのデビュー戦。ハジャーのスタートは、まさに完璧だった。消灯と同時に抜群の反応を見せ、アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)を抜き去ると、ジョージ・ラッセル(メルセデス)やシャルル・ルクレール(フェラーリ)といった先頭集団と肩を並べた。

母国フランスの記者団に対してハジャーは「あのスタートなら、おそらくトップに立って、先頭集団とレースを楽しめたはずだった」と振り返る。だが、歓喜の瞬間は一瞬で凍りついた。

「ターン1の時点で分かってたんだ。エンジンが爆発するだろうってね。スタート直後に、エンジン音が完全に変わってしまっていたんだ」

アルバート・パーク・サーキットを走行するアイザック・ハジャーのレッドブルRB22、2026年3月8日(日) F1オーストラリアGP決勝(アルバート・パーク・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルバート・パーク・サーキットを走行するアイザック・ハジャーのレッドブルRB22、2026年3月8日(日) F1オーストラリアGP決勝(アルバート・パーク・サーキット)

ハジャーを襲ったのは、単一のトラブルではなかった。エンジンの異音に加え、パワーユニットのバッテリーも完全に沈黙。新しい技術規則の導入によって出力の半分を担うはずの電力を失ったRB22は、もはや戦う術を持たなかった。

「最高のスタートを切ったのに、次の瞬間にはバッテリーが死んでしまった。そしてあの音だよ……。まるでV8スーパーカー(オーストラリアの箱車レース)をドライブしているみたいだった。めちゃくちゃな状態で、いつ壊れてもおかしくなかった」

フリー走行では安定していた新生レッドブル・フォードのV6パワーユニット。それが、最も重要な決勝のスタート直後に別のカテゴリーのエンジンのように変質してしまった事実に、ハジャーは深い困惑と憤りを隠さなかった。

11周目、ハジャーのマシンは白煙を上げてコース脇に停止。これによりバーチャル・セーフティーカー(VSC)が導入され、レッドブルでの初陣は幕を閉じた。だが、リタイア後に語った言葉には、若手らしからぬ強い矜持がにじんでいた。

「クルマの問題はいくつあったか数えきれない。でも週末を通して、僕自身は良い仕事ができていた。ミスもなかった」

そう語ったハジャーは、状況が違えば「3位か4位争いはできたと思う」とも付け加えた。

チェッカーフラッグを受けることはできなかった。だが、予選とターン1に向けて見せたハジャーの一瞬の閃光は、彼が新しい時代のF1で主役を張れる器であることを、パドック全体に示唆するには十分だった。

F1ドライバー集合記念撮影に臨むマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャー、2026年3月8日(日) F1オーストラリアGP決勝前(アルバート・パーク・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

F1ドライバー集合記念撮影に臨むマクラーレンのランド・ノリスとオスカー・ピアストリ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンとアイザック・ハジャー、2026年3月8日(日) F1オーストラリアGP決勝前(アルバート・パーク・サーキット)

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