
アロンソ、「2度のリタイア」の裏で実感したアストン・ホンダの前進/F1オーストラリアGP
フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)は、新時代の幕開けとなった2026年F1開幕戦オーストラリアGPで「2度のリタイア」を喫した。
チャンピオンシップを争う実戦の場をテストとして使用せざるを得なかった状況を、2度のF1王者は決して好ましいとは思っていない。それでもなお、小さいながらも着実に一歩前進できたことに、少なからず希望を見出していた。
ソフトタイヤを履いて17番手グリッドに着いたアロンソは、スタートと同時にその真価を発揮した。1周目に一気に7台を抜き去り、10番手までジャンプアップ。ホンダ製パワーユニットを積んだAMR26が、一瞬だけポイント圏内を走行した。
「ああ、間違いなく今日のレースで一番良かったのはそこだ。スタートだよ」とアロンソは振り返る。だが、現状のAMR26にその位置を維持する力はなかった。3周目以降、徐々にポジションを落とし始め、「本来のポジション」まで後退すると、今度はマシンの警告システムが非情なアラートを鳴らした。
一度ガレージに戻って警告を解消し、再びコースへ復帰してデータ収集を続けた。だが今度は「別のトラブル」が発生した。アロンソは皮肉めいた表現でこう語った。
「だから”2回目のリタイア”をしなきゃならなかったんだ」
バッテリーのスペアが枯渇する中、チームは無理に完走を目指そうとはしなかった。チーム代表のエイドリアン・ニューウェイは「コンポーネントを温存するため、フェルナンドにリタイアを指示した」と説明する。
こうしてアロンソは37周目、クルマをガレージに入れてレースを終えた。
Courtesy Of Aston Martin Lagonda Limited
アルバート・パーク・サーキットを走行するフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン・ホンダ)、2026年3月8日(日) F1オーストラリアGP決勝
「そういうわけで今日は、うまくいったり、いかなかったりの一日だった。ただ、チームにとっては良いデータを集められたと思う」とアロンソは語る。
「フォーメーションラップもやったし、レーススタートも経験した。ピットストップも含めて、一通りのことを全部やれた」
他のチームにとっては「当たり前」のことでも、今のアストンマーティン・ホンダにとっては「新しい経験」だという事実に、現状の厳しさが透ける。
「他のチームにとっては普通のことに聞こえるかもしれない。でも僕らにとっては新しい経験だった。バーレーンテストでは、みんながスタート練習をしていた夜7時までさえ、僕らは走り続けられなかったんだ」
「だから今日、2台とも走らせてこういうことを全部経験できたのは、学ぶという意味で間違いなく本当に良い一日だった」
アロンソは、ホンダを含めたチーム全員のモチベーションが依然として高いことを強調し、次戦中国GPでのさらなる前進に期待を寄せる。
前進しているという実感はあるか?との質問に対してアロンソは、「もちろんだ。みんな状況を改善しようと強く思っているし、モチベーションも高い。決意もある」と答えた。
「バーレーンと比べれば、今週末はいくらか前進があったと思う。だから次の中国では、さらにもう一歩進めることを期待している」