ハースF1、オーストリアでの”不運かつ特異な事故”により執行猶予ペナルティ
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ピットレーンでニコ・ヒュルケンベルグのマシンが跳ね上がるという「不運かつ特異なインシデント」を受けF1オーストリアGPのスチュワードは、ハースF1チームに2023年シーズン末までの執行猶予付きの罰金5,000ユーロ(約79万円)を科す裁定を下した。
7月1日(土)に行われたスプリント・シュートアウトのSQ2でヒュルケンベルグがピットボックスからファストレーンに向かおうとしたところ、取り外したばかりの左前輪に、左後輪が乗り上げる形でクルマが跳ね上がるという珍しい事件が発生した。
ヒュルケンベルグは思わず「おいおい、タイヤはあそこで何やってたんだ?」と漏らしたが、幸いにもピットクルーに怪我はなく、クルマも損傷することはなく、無事にSQ2を突破すると堂々の4番グリッドを獲得した。
F1競技規則第34条14項a、つまり「ピットレーン上の人員、またはその他ドライバーを危険にさらす可能性のある方法でガレージ、またはピットボックスからマシンを送り出してはならない」とする、いわゆるアンセーフリリースの疑いがあるとして一件はセッション終了後に調査された。
スチュワードは「取り外された左前輪がクルマに近すぎたこと、そしてピットレーンの隣のチームのカーコントローラーが通常よりもファストレーン側に立っていたためにドライバーが急な発進角度をとったという、不運かつ特異なインシデントであることは明らかだった」と説明した。
公聴会に提出されたチーム側の調査・報告資料には、今後、同様のインシデントの発生を防ぐための、ピットストップ中の手順とクルーの配置変更を含む防止策が持ち込まれていた。
スチュワードはこれに「感銘を受けた」として、執行猶予付きの金銭ペナルティを科す決定を下した。2023年シーズンのチャンピオンシップ終了時まで同様のアンセーフリリースがない場合、ペナルティは免除される。