F1イタリアGP決勝レースを走るハースVF-18のロマン・グロージャン
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FIA国際自連、ハースのF1マシンに規約違反の裁定…イタリアGP決勝6位のグロージャンが失格処分

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F1を統括するFIA国際自動車連盟は現地2日(日)夜、ハース・フェラーリのF1マシン「VF-18」にレギュレーション違反があるとの声明を発表。F1イタリアGPで6位入賞を果たしたロマン・グロージャンを失格処分とする裁定を下した。ハース側はこの裁定に不服を申し入れ控訴した。

2日に行われたFIA F1世界選手権第14戦イタリアGP決勝レースが終了した直後、ルノー・スポールが声明を発表。ハースのF1マシン「VF-18」の合法性を審査するよう、イタリアGPのレーススチュワードに対して根拠となる画像を添えた上で申し立てを行った事を明らかにした。

ルノーは現在コンストラクターズタイトル4位の座をハースと争っており、イタリアGPを終えてグロージャンが8ポイントを獲得。対するルノーは9位カルロス・サインツが2ポイントを追加するに留まり、84ポイントで4位タイと並んだ。申し立てはその直後に行われた。

これを受理したFIAは、ハースのギュンター・シュタイナー代表とグロージャンを召喚。現地2日18:30から公聴会が開かれ調査が行われた結果、カーナンバー8、グロージャンのマシンにテクニカルレギュレーション第3条7項1号 d)への違反が認められるとして、リザルトを剥奪する裁定が下る事となった。

問題が指摘されたのはマシンのフロア前部の形状。規約で半径50mmと定められているフロント側の角の部分に違反があったとの判断が下った。

当該規約の解釈については曖昧な点があったため、FIAは今年7月25日に規約の説明を補完するための技術仕様書(TD/033-18)を発行。各チームにこれを通達し、イタリアGPまでにこれに準拠するよう指示を出していた。

通達を受け取ったハースはフロアを規約に対応させるため、FIAの担当責任者に対してEメールで図面を送るなどしてやり取りを行っていた。その中でハースは、指定された期限までの日数が少なく対処が難しい旨のメールを送り、期日に関しての柔軟な対応を求めていた。

当該担当者はこの要望に対し明確に返答することはしなかったようで、ハース側は要望が認められたものと認識していたと主張。ただし件の担当者は、イタリアGPまでに対応しない場合、他のチームからの抗議がある可能性をハース側に伝えていた。

スチュワードは、双方のコミュニケーションに齟齬があった事を認めつつもレギュレーション違反があった事は事実と主張。総合的な判断の結果、グロージャンのリザルトを除外する事を決定した。ただしハース側が控訴したことで、最終的な判断はFIA国際控訴裁判所に委ねられる事となった。

仮にハースが敗訴した場合、グロージャンが獲得した8ポイントは没収となり、コンストラクターズ順位でルノーが単独4位に復帰する。

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