”犠牲”を強いられたとガスリー不快感「あまりに遅すぎる」アルピーヌに苛立ち
F1シンガポールGPを17位で終えたピエール・ガスリーは、アルピーヌが採った戦略により、僚友エステバン・オコンのための「犠牲」を強いられたとして、この状況をもたらした「あまりに遅すぎる」A524に対する苛立ちを表明した。
18番グリッドに着いたガスリーは、ミディアムタイヤを履いた第1スティントを37周まで引っ張った。これより長かったのはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)だけだった。
当時のガスリーのペースは、フレッシュなハードタイヤに履き替えたオコンより2秒以上も遅かったが、ピットウォールがガスリーのタイヤを交換したのはチームメイトの8周後だった。
不必要に長くステイアウトさせられたのは、自身を壁として利用することで、オコンとポジションを争っていた角田裕毅とダニエル・リカルドのRB勢のペースを抑えるためだったとガスリーは考えている。
タイヤが摩耗し、なす術なく後続にオーバーテイクされる最中に何を考えていたか?と問われたガスリーは「自分が犠牲になってる、ってことだね。つまり、後方のクルマをスローダウンさせることで、エステバンを追いつかせるためにってことだ」と答えた。
トップ4チームが確立した状況において、中団チームは多くの場合、どちらか1台を優先することで僅かなポイントを狙う戦略を採らざるを得ない。ましてや、クルマの競争力が決定的に不足している週末では尚更だ。
ドライバーズ選手権ではオコンを3つ上回る15位につけているが、これまでの18戦でガスリーがポイントを獲得したのは7戦に過ぎず、アルピーヌは今もウィリアムズやハースに遅れを取っている。
「根本的に僕らはあまりに遅すぎた。その結果、変わった戦略を試すことを余儀なくされたんだ。だから気持ちの良いものじゃない」とガスリーは語る。
「フラストレーションが溜まる。3レース前のザントフォールトではトップ10に入っていたのに、その後の3レースでは全く振るっていない。トップ10から遠ざかってしまったように見える。やるべきことは山積みだ」
「トップ10まで30秒差だったと思う。単純に足りていない。もっと良い仕事をする必要がある。チームのみんなはもっと良い仕事ができるはずだ。次の週末までの時間を最大限に活用して、より強力なパッケージで戻ってこれるようにしなきゃならない」
「なぜなら、現時点で僕らのクルマは9番目のクルマだからだ。このような状況では、ドライバーとしてできることはあまりない」
2024年F1第18戦シンガポールGPでは、ランド・ノリスがマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に20.945秒差をつけ圧勝した。僚友オスカー・ピアストリが3位表彰台に上がり、マクラーレンが再び大量ポイントを獲得した。
サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を舞台とする次戦アメリカGPは、10月18日のフリー走行1で幕を開ける。