ポール・リカール・サーキットのピットロードとトロロッソ・ホンダSRT13
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トロロッソ・ホンダ、シミュレーターと実地との相関にズレ…走行時間をロス

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トロロッソ・ホンダのチーフ・エンジニアを務めるジョナサン・エドルズが、第8戦F1フランスGP初日フリー走行で実施したプログラムの内容と、ガレージ内の動きについて説明した。ピエール・ガスリーは10番手、ブレンドン・ハートレーは15番手で初日を締め括っている。

ライバルチーム同様に、トロロッソ・ホンダの初日セッションも、ポール・リカール特有のトリッキーなコンディションに翻弄される事となった。シミュレーターと実際のコースとの相関がズレていたため、午前の1回目のフリー走行では、予定していたエネルギーマネジメント・プログラムの修正を余儀なくされた。午後の2回目のフリー走行では、午前とは異なる方角からの強風に翻弄され、セットアップを突き詰めることに苦労した。

F1フランスGP初日を終えて

ジョナサン・エドルズチーフ・エンジニア

F1カレンダーに新しく加わったサーキットに来るのは何時だって気分が高まるし、10年ぶりにフランスに戻ってこれて嬉しいよ。新しいサーキットという事で、ファエンツァ、ビスター、ミルトンキーンズ、さくらの各ファクトリーで入念な準備を整えてきた。

シミュレーションと実際のサーキットとの相関にズレがあったため、午前のセッションでは最適なエネルギーマネージメントを行えず、走行時間を少しロスしてしまった。でも、スタッフの作業によって上手く立て直す事ができ、序盤40分以内のタイミングで何とかコースに戻る事が出来た。ところが、運悪くガレージの電源が落ちてしまい、距離測定器やタイム測定器はもちろん、無線すら使えない状況に陥ってしまった。

この影響で、ドライバーにピットインを指示する事ができず、レギュレーションで定められた40分の走行時間上限を守る事ができなかった。ブレンドンの方は運よく戻ってきてくれたが、ピエールはタイムアタックに取り組んでいて戻ることが出来ず、罰則の対象になってしまった。

それ以降は周回を重ね、普段よりもたくさんのプログラムを行うことが出来た。良いセッションになったと思う。事前に何度もシミュレーション作業をしてはいたんだが、実際にコースに出てみると、トラック温度や風など様々な要素に差異があったため、FP1では最適なセッティングを探ることに注力したよ。

FP2ではマシンに更なるセッティングを試みたんだが、午前とは風向きが180度変わってしまい、向かい風が追い風になるなど、バランスが完全に変わる事になってしまった。とは言え、日曜にも同じような状況が起こりうるわけで、そう考えれば予行練習が出来たようなものだし、その意味では良かったとも言えるね。

タイヤに関して言うと、ブレンドンはロングランの際にハードタイヤを選択していたため、柔らかいコンパウンドに履き替えての予選ランのウォームアップの際にズレが生じてしまい、結果としてマシンのポテンシャルを最大限に出し切ることが出来なかった。一方のピエールは、スーパーソフトタイヤからウルトラソフトに履き替えたため、マシンの力を引き出すことが出来て、良いラップタイムを記録する事につながった。

ブレンドンのマシンにPUの不具合が発生してしまったが、これについては現在原因を究明している。ソフトタイヤで走り始めた直後にトラブルが出てしまったため、彼はソフトタイヤに対する理解が不十分なままに日曜の決勝に挑む事になる。若干の影響があるとは思うが、それほど大きな問題とはならないだろう。今日集めたデータを分析して、日曜のレースに向けて最善の戦略を練るつもりだ。


28年ぶりに復活したポール・リカール・サーキットでの初日を制したのはメルセデスAMG勢。スペック2の新型エンジンを投入しルイス・ハミルトンが最速の称号を連取。レッドブルとフェラーリがこれに続く展開を見せた。3回目のフリー走行は日本時間6月23日(土)20時から、公式予選は同23時から行われる。

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