F1予算上限規則に盲点…他事業からの還元禁止令、レッドブル含む4チームに疑惑の目
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報道によるとF1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、選手権をリードするレッドブルを含む4チームが予算上限ルールの盲点を突き、規定の意図に反する方法で利益を得ていた疑いがあるとして新しい技術司令TD45を発行。明確化に動いたようだ。
これは伊「La Gazzetta dello Sport」が6月22日(木)に真っ先に報じたもので、F1以外の事業を通してF1プロジェクトに利益をもたらしていたチームが存在する可能性があるという。
つまり財務規定には、予算上限の対象外であるF1以外の活動を通して培った技術や知見、ノウハウをF1プロジェクトに還元させる抜け穴が存在していたため、技術司令によってこれを塞いだというわけだ。
レッドブルはアドバンスド・テクノロジー部門を通してチャンピオンチームとアルファタウリにパーツを供給するだけでなく、アメリカズ・カップやレッドブル初の「ハイパーカー」に取り組んでいる。
アプライド・サイエンス部門を持つメルセデス、パフォーマンス・テクノロジー部門を持つアストンマーチン、そして今年のル・マン24時間レースで50年ぶりの復帰戦勝利を飾ったフェラーリも疑惑の目が向けられたチームの一つだという。
TD45は2023年1月1日にまで遡って適用されるため、仮にこの抜け穴を使って利益を得ていたとすれば、F1活動に該当するいずれかの領域でその分、予算を削らなければならなくなる。これが法外に大きな数字であれば、予算上限に収める事が難しくなる事も予想される。
昨年はレッドブルが186万4000ポンドの支出超過により、700万ドルの罰金と空力開発テスト時間10%減のペナルティを受けた。アストンマーチンとウィリアムズは手続き違反で各々罰金を支払った。
財務レギュレーションは競争力の平準化とスポーツの公正さ、そしてF1チームの長期的な財政安定化と持続可能性を目的として2021年に初めて導入されたばかりの新しい規定で、まだまだ発展途上にある。
財務規定において「F1活動」は、「F1チームの研究、開発、設計、製造、テスト、レース、マーケティング活動に関連するすべての活動」と定義されているのみで、「非F1活動」に至っては「F1活動でない活動を意味する」と非常にシンプルだ。
TD45は今後、実際のレギュレーションに盛り込まれる事が予想される。