フェラーリ、SF-23の問題特定できずにF1カナダへ「心配だ」とルクレール
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前戦スペインGP予選でQ1敗退を喫した際に生じたフェラーリSF-23のトラブルについてシャルル・ルクレールは、F1カナダGPまでに原因が特定できなかった事を明かし、不安を抱えている事を認めた。
通常、SF-23は1ラップペースに優れたマシンであり、ルクレールもまた予選巧者として知られるが、ダンプコンディションで行われたカタロニア・サーキットでの予選では左コーナーでハンドリングの問題に悩まされ19番手と、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)を上回るのが精一杯だった。
決勝に向けてフェラーリは16号車のリアエンドを交換したが結果は11位と、努力虚しくポイント圏外に終わった。
マラネロのエンジニア達はカナダGPに向けて懸命に作業に取り組んだものの、ルクレールは原因を「見つけられなかった」と語り、解決できないままにジル・ビルヌーブ・サーキット入りした事を明かした。
原因を特定できなかった事について心配しているか?と問われたルクレールは不安を覚えていると認めた。
「バルセロナでの予選はかなり特殊だった。苦労したのは僕だけじゃなかったと思う。その理由について理解する必要があるけど、今のところは分かっていない」とルクレール。
「少し心配だ。クルマの感触がかなり悪かったのは確かだから、全力を投じてその理由を突き止めなきゃならない」
ルクレールのトラブルは、フェラーリが脱”ダスタブ”型サイドポッドを含む大規模アップグレードをSF-23に投じたまさにその週末に発生した。
なお同じSF-23をドライブした僚友カルロス・サインツは最前列2番手を確保したものの、レースではペース不足がまたも明らかとなり、3ポジションダウンの5位でフィニッシュした。
コンストラクターズ選手権4位に留まるフェラーリは、首位レッドブルから早くも187ポイントも離されており、ドライバーズ・ランキングでルクレールはポイントリーダーのマックス・フェルスタッペンから42ポイント遅れの7位に甘んじている。
ルクレールは「チームの誰もがコース上でのパフォーマンスに満足してないと思うし、シーズン当初の期待から大きくかけ離れた状況」であるとして、一刻も早く、そして定期的にアップデートを持ち込む事が今の目標だと説明した。
「前の連中とのギャップ、特にレースペースに関する差を埋めていかなきゃならない。予選で苦労したけどレースも良くなかった」
「カルロスは素晴らしい土曜を過ごしたけど、日曜に関してはまたもレースペースに苦労していた。だから僕らが今、プッシュしようとしているのはこの部分なんだ」
カナダでの挽回を期待したいところだが、ルクレールは「今回は何も新しいものがないから奇跡が起こるとは思わない」と悲観的だ。
ただ、その一方で「僕らとしては兎に角、パッケージへの理解を深めてパフォーマンスを引き出すと共に、それを最大化するためにクルマをセットアップしていく必要がある」とも述べ、手をこまねいて傍観するつもりはないと強調する。
「スペインではかなり容易にウインドウから外れて、相当なレベルのパフォーマンスを失ってしまった。多くを学んだし、今週末は幾らか良い状態になると信じているけど、大きな前進になるとは思っていない」
昨年のカナダGPでフェラーリはサインツが2位表彰台、ルクレールが5位フィニッシュを果たした。
ただルクレールは、今季は「全く異なる状況」にあるとしてレッドブルとアストンマーチンが「非常に手強い」と予想。メルセデスに関しては良く分からないと語った。