フェラーリのフレデリック・バスール代表とカルロス・サインツ、2023年9月1日F1イタリアGPフリー走行
Courtesy Of Ferrari S.p.A.

フェラーリ勢がF1イタリアGPで懲罰を逃れた理由、サインツのポール獲得直後に不問

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当初フェラーリのカルロス・サインツとシャルル・ルクレールは、Q1で不必要に低速で走行した疑いがあるとして予選後に召喚される予定であったが、レースコントロールはサインツがF1イタリアGPのポールを獲得直後、不問とすると発表した。何故か?

モンツァは例年、酷いトラフィックにより予選で混乱が生じる。レースディレクターは2日目を前にルールを更新し、インラップやアウトラップを含め、セーフティーカーライン間を1分41秒以内で走行しない場合に調査を行う方針を示していた。

予選Q1での4ラップ目に2人のフェラーリドライバーがこれに反したため、F1競技規定第33条4項およびFIA国際競技規定第12条2項1 iへの違反の疑いが持たれた。

ヴィタントニオ・リウッツィを含む4名の競技審判団はマーシャリング/ポジションニングデータ、タイミングデータ、車載映像、CCTV カメラの調査を行った。その結果、2人がスローラップを走ったのは、調査の対象とはならない「スチュワードが認めた例外的な状況」に該当すると判断された。

スチュワードによると2人は「サーキットの大部分、特にストレートにおいて、1分41秒以内に留まるために必要なスピードを維持」して走行していた。

ただ、「他のドライバーの邪魔にならないよう、速度を落としてコース脇に留まるという適切な行動」をとった結果、指定タイムより遅い速度でラップを終える事になった。

サインツとルクレールは共に、クイックラップ中の他車に道を譲った結果として、許可されたタイムを上回ってしまったというわけだ。

そのためスチュワードは、2人が「不必要に低速」で走行していなかったとして、これ以上の措置を取らないとの決定を下した。

不問の知らせが届く前、サインツは何が起きたのかについて次のように説明した。

「それについてはあまり心配してないよ。ファステストラップを出そうとしてる他のクルマに邪魔にならないように、かなりスピードを落とさないとならなくて、レースディレクターが設定したデルタタイムを守るのがほぼ不可能だったんだ」

「もし守ってたら他のドライバーの邪魔になってたはずだから、安全策として邪魔にならないようにしたってことさ。たしかに、デルタタイムからは1、2秒外れてたと思うけど、他のドライバーの邪魔をするより安全の方が大事だよね」

この結果、フェラーリ勢の予選リザルトが確定。ポールのサインツはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と並び最前列に、ルクレールはジョージ・ラッセル(メルセデス)と並んで2列目3番グリッドから決勝レースに臨む。

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