エルマノス・ロドリゲス・サーキットのフォル・ソル競技場区間を走るトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレー
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2018年のF1テレビ視聴者数が累計17億5800万人に到達…置き去りにされる日本市場

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フォーミュラ1世界選手権を運営するリバティ・メディアは1月19日、2018年のテレビ視聴者数及びデジタルプラットフォームにおける各種実績値を発表。世界全体での累積視聴者数が17億5800万人に達し、昨年と比べて25%のプラス成長となった事を明らかにした。

テレビまたはインターネットでのユニーク視聴者数は3億5300万人から4億9020万人へと大幅に増加。2017年と比べて10%のプラスとなった。中でも中国は、国営放送である中国中央電視台で無料放送されている事が大きく影響し、前年比3倍を記録した。

その他には、インドで87%増、フランスで51%と大きく増加したほか、ロシアでも27%、アメリカでは20%のプラス成長となった。総ユニーク視聴者数が多かったのはブラジルで1億1520万人、ついで中国が6800万人、これにアメリカが3420万人と続いた。

ただし、世界上位20市場における累積視聴者数は15億9000万人と、2017年と比べて3%の改善に留まった。つまり、全戦を逃さず見る熱心な有料視聴者が増えたわけではなく、無料放送枠の増加などによって”ついで見”の”ライトユーザー”が増加したというのが実情と言える。

フランスでは母国GPの復活に伴い「TF1」による無料放送が行われ、フランスGPとモナコGPを含む4戦が生放送された。また、アメリカではリバティメディアがF1のオーナーになった事に伴い、ESPNとABCが英スカイ・スポーツのF1中継を放送。ESPNは全米No.1人気を誇るNASCARやIndycar、CARTを放映しており、既に数多くのモータースポーツファンを抱えていた。一定程度視聴者数をコントロールする事は決して難しいことではない。

F1の世界的な人気低迷が叫ばれて久しいが、明るい材料がないわけではない。F1は現在、Twitter、Facebook、Instagram、YouTubeの公式アカウントを運営しているが、これらのフォロワー数は1850万人に達し、前年比53.7%を記録。絶対数としてはまだまだであるものの、今後に期待の持てる大幅な伸び率を示した。

全21戦の内、最も多くの視聴者が観戦したのは、モンテカルロ市街地コースで開催される伝統のモナコGP。述べ1億1000万人がテレビあるいは何らかのデジタルプラットフォームで戦いの行末を見守った。ブラジル、フランス、オーストリア、英国、イタリア、そしてメキシコの6イベントが同9000万人を超える視聴者数を記録した。

世界的な調査会社であるニールセンの調べによると、F1ファンの数は昨年300万人増加し、計5億600万人に達したという。また、そのうちの2億500万人、ファン全体の40%が35歳以下であり、62%が45歳以下だとの結果も出された。更に、フランスのイプソス社の調査では、過去2年間でF1が獲得したファンの内、61%が35歳未満で、36%が25歳未満であったという。

日本の肌感覚で言えば、ファンの半数近くが35歳以下という数字はにわかには信じがたい。当サイトの昨年のデータで言えば、35歳以下のユーザーは全体の19.5%しかいないのだ。日本においては2016年以降、地上波及びBSによる無料生中継が廃止され、F1を見る唯一のチャンネルは有料放送・サービスのみとなってしまった。新たなファンの獲得という点においては、絶望的な状況と言える。

なお、日本は視聴者数の上位20カ国に含まれておらず、また公式のネット配信サービス「F1 TV」の対象外地域でもあり、F1の”大事な顧客”としては蚊帳の外に置かれつつある。