F1、2023年第6戦から性能大幅アップの新型ウェットタイヤを導入
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F1は2023年の第6戦エミリア・ロマーニャGPより、タイヤウォーマーを必要とせず「従来スペックよりも遥かに性能の高い」新しいウェットタイヤを導入する。
この変更は今週木曜に開幕を迎えるプレシーズンテストに先立ち、2月21日(火)にロンドンで行われた今年最初のF1コミッションで承認された。
2021年のベルギーGPや昨年の日本GPなど、ウェットコンディションにおける視界の悪さ、中断・遅延の多さに関しては、これまで幾度となく批判の声が上がっていた。
レースの遅延・中断の原因となる水しぶきについて、ヘッド・オブ・カーレーシングとしてピレリF1の現場を統括するマリオ・イゾラは、ベンチュリー効果を活用するマシン側に依るところが大きいとして、タイヤのみで解決する事は難しいとの認識を示していた。
ただ中断・遅延のもう一つの原因は深溝のフルウェット・タイヤの性能の低さにあった。
あまりにもラップタイムが遅いため、路面の水量的に時期尚早な段階であっても、誰もが排水性能の低いインターミディエイトを履きたがる。結果、事故による中断は発生しやすくなる。
イゾラはこの点を踏まえて「ウォームアップに必要な時間を若干短縮させた上で、エクストリームウェットのパフォーマンスをもう少し上げるべき」との考えを示し、幾つかのチームの協力を得て、昨年12月と今月にフランスのポール・リカール・サーキットで、また同じく昨年の12月にフィオラノ・サーキットで雨用タイヤのテストプログラムに取り組んだ。
この日のF1コミッションでは他に、昨年11月に研究が開始されたホイールアーチ状の標準パーツに関して、今シーズンの第2あるいは第3四半期にチームの協力を得て、実際のコースでテストが行われる事が確認された。
「ウェットウェザー・パッケージ・プロジェクト」と題されたこの計画は、タイヤとホイールを覆うパーツを導入する事で、巻き上げられる水量を物理的に制限し、視界悪化の問題を解決しようというものだ。
チームには空力試験制限(ATR)および予算上限が課されている事から、FIAはこのプロジェクトに関する風洞実験およびCFD作業、ならびに関連費用を規制から除外するための技術指令を準備している。