F1メキシコGP、ピットレーン封鎖を不問とした理由を説明…フェルスタッペンやハミルトン含む6名は懲罰回避
Published: Updated:
1985年のインディ500ウィナー、ダニー・サリバンを含むF1メキシコGPのスチュワードは、予選Q1でピットレーン出口を封鎖したとされる一件について、3名のドライバーのいずれにもペナルティを科さず、お咎めなしとする決定を下した。
2023年10月28日(土)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われた予選第1ラウンドでは、ピットレーン出口で停止、または出口付近を低速で走行したとしてマックス・フェルスタッペン(レッドブル)とジョージ・ラッセル(メルセデス)、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)が召喚された。
ラップタイムの抹消あるいは、グリッド降格ペナルティが科される恐れがあったが、聴聞会を経てスチュワードは、いずれも「安全を優先して行動」した結果と判断した。
一件についてスチュワードは「SC2とSC1の間の指定ラップタイムに関わる直接的な結果」として発生したとの見解を示し、ドライバーがピットレーンの先頭で停止したのは、コース上での混雑を避けるために「前走車両とのギャップ」を作ろうとしたためだと指摘した。
2つのセーフティーカー(SC)ライン間を1分36秒0以内で走行しなければならないとする本ルールは、不必要なスロー走行を防止する事で接触事故などのリスクを低減するために取られた措置だ。
スチュワードは、指定ラップタイムより速い速度でコースを周回する事が義務付けられている一方、ピット出口で不必要に停止することを避けなければならなかったとして、ドライバーに「相反する要件」が課されていた点を指摘した。
そして、レースディレクターのニールス・ヴィティヒが「こうした相反する要件が存在することを受け入れた」という事実を強調し、「スチュワードを含むすべての関係者は、コース上で大きな速度差が発生するという潜在的に危険な状況よりは、ピットレーンまたはピット出口でクルマが渋滞する方が良いと確信している」と述べた。
また、レースディレクターが指定ラップタイムを設定した事は「正しいアプローチ」であったとした上で、「ピット出口の件に関しては、より良い解決策が見出されることが望ましいが、現段階ではその解決策がどのようなものかは分からない」と付け加えた。
別件で、指定ラップタイムより遅く走行したとして調査が行われたジョージ・ラッセル(メルセデス)、ランド・ノリス(マクラーレン)、周冠宇(アルファロメオ)に関しては、他車に進路を譲るなど、走行妨害を避けるべく採った適切な行動の結果であるとして、こちらもお咎めなしの裁定が下された。
ハミルトンに関してはターン3の黄旗に従わなかったとの疑いもあったが、オンボード映像を通した調査から、ターン3に向かう直前に黄旗が解除されていた事実が明らかになったため、これに関しても不問とされた。