F1イタリアGP:インシデント2件で処分、計7名召喚の裁定を公表
F1イタリアGPの最終プラクティスと予選が行われた2024年8月31日(土)のモンツァ・サーキットでは、計7名のドライバーが召喚される計4件のインシデントが発生し、その内の2件でスチュワードによる処分が下された。
マックス、オスカーの危険リリース
予選Q1の終盤にピットレーンで発生したアンセーフ・リリースに関してジョニー・ハーバートを含む4名の競技審判団は、マクラーレンに1万ユーロ(約162万円)の罰金を科す決定を下した。
マクラーレンが危険なタイミングでピアストリをガレージアウトさせた結果、ファストレーンを走行していたフェルスタッペンは急制動を強いられ、レーンを離れて接触を回避した。
聴聞会の中でピアストリは、クルマの角度上の問題で視界が著しく制限されていたとして、メカニックからの合図に頼って発進せざるを得ず、ファストレーンに入るまでフェルスタッペンを視認できなかったと説明した。マクラーレンのチーム代表者は、ピットクルーが状況を誤って判断したとして、チーム側にミスがあったと認めた。
スチュワードはピットレーンの様子を収めた映像を調査し、マクラーレンのピットクルーはファストレーンの状況よりピアストリに意識を集中していたと指摘し、同様の前例よりも「厳しいペナルティ」が相当であるとして1万ユーロの罰金を科した。
新人コラピントの練習違反
フリープラクティス中のスタート練習は、ピット出口ライトの奥の右側エリアでのみ許可されており、FP3セッション中に違反した疑いがあるとして召喚されたフランコ・コラピント(ウィリアムズ)には警告処分が下された。
コラピントは聴聞会の中で、ステアリングホイールの設定に気を取られ、許可されたエリアから5メートル離れた場所でスタート練習をしたと認めた。スチュワードは今回がコラピントにとっての初のグランプリであったことなどを考慮し、警告処分に留めた。
ペレスとストロールのコース復帰手順違反疑惑
FP3セッション中に、第一シケインのエスケープロードに関する取り決めに従わなかったとして召喚されたランド・ノリス(マクラーレン)とセルジオ・ペレス(レッドブル)は不問とされた。
レースディレクターのニールス・ヴィティヒは週末に先立ち、アスカリを除く2箇所のシケインでコース外に出た場合、ボラードやブロックなどを目印とする規定のルートに従ってコースに合流しなければならないとの通達を出していた。
別個に行われた聴聞会の中で2人のドライバーは、ボラードとコースとの位置関係などを理由として、指示に従ってコースに復帰するのは「危険」かつ「困難」だったなどと指摘し、合わせてボラードを撤去すべきだと提案した。
スチュワードはこれらの主張を受け入れ、また、両者が共に安全にコースに復帰したことなどを考慮してお咎めなしの決定を下すとともに、提案に従って第一シケインの緑色のボラードを撤去した。黄色のボラードは残された。
3名関与の走行妨害疑惑
ピアストリとダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、シャルル・ルクレール(フェラーリ)の3名が関与した、FP3におけるレズモの2個目(ターン7)での妨害走行疑惑に関してもお咎めなしの決定が下された。
クールダウンラップ中だったピアストリとルクレールはともに、後方から迫るプッシュラップ中のリカルドに進路を譲ろうとした。ただ、一番前を走行していたピアストリが右側に避けた一方、ルクレールがピアストリを右側から交わして前に出ることでスペースを作ろうとしたことで2台が並走する形となり、そのタイミングで2台に追いついたリカルドは安全のためにラップを中止した。
3名のドライバーは、リカルドに道を譲ろうとするルクレールとピアストリの「善意」の意図が噛み合わなかったことにより生じた不運なインシデントであると同意し、これを受けてスチュワードは、それ以上の措置を講じないことを決定した。