グラフで見るF1:各チームはこの1年でどれだけ速くなった? 最も伸びていないのはアルf…
2023年シーズンの開幕バーレーンGPが閉幕した。この1年で最も多くパフォーマンスを引き上げたのはどのチームなのか? 開発の成果が最も見られないのは角田裕毅のタウリと、ロメオの”アルファ勢”だ。
新世代グランドエフェクトカーの導入から1年。この間、各ファクトリーではコース上で収集したデータ、ドライバーからのフィードバックなどを元に、懸命の開発作業が続けられてきた。
進化を測るための一つの目安として、2022年と2023年の双方でシーズン・オープナーを務めたバーレーン・グランプリ予選のチーム別ファステストを比較した。
いずれのチームも成果を挙げているが、途方もないゲインを得た者がある一方、殆ど代わり映えのない者もあり、進化の程度は大きく異る。
順位 | チーム | 2023 | 2022 | 差 |
---|---|---|---|---|
1 | アストンマーチン | 1:30.336 | 1:32.777 | -2.441 |
2 | ウィリアムズ | 1:31.461 | 1:32.664 | -1.203 |
3 | レッドブル | 1:29.708 | 1:30.681 | -0.973 |
4 | メルセデス | 1:30.340 | 1:31.048 | -0.708 |
5 | アルピーヌ | 1:30.914 | 1:31.621 | -0.707 |
6 | ハース | 1:30.809 | 1:31.461 | -0.652 |
7 | マクラーレン | 1:31.381 | 1:32.008 | -0.627 |
8 | フェラーリ | 1:30.000 | 1:30.558 | -0.558 |
9 | アルファタウリ | 1:31.400 | 1:31.635 | -0.235 |
10 | アルファロメオ | 1:31.443 | 1:31.560 | -0.117 |
ご覧のように誰よりも速さに磨きをかけたのはアストンマーチンで、なんと2.4秒にも及ぶ。飛躍と呼ぶに相応しい。2番手には1.2秒の向上を果たしたウィリアムズが続く。
実際アストンはフェルナンド・アロンソが予選5番手を獲得し、決勝では衝撃的の3位表彰台を獲得した。またウィリアムズはアレックス・アルボンがポイントを持ち帰り、ローガン・サージェントは新人最上位となる12位でフィニッシュしている。
弱小チームほど翌年のマシン開発においてアドバンテージを得る事ができる「スライド・スケール空力テスト規制」の導入により、両チームはライバルより多くの開発が許可されてきた。
例えば昨年の6月30日以降、ウィリアムズは基準値の115%、アストンマーチンは105%の風洞・CFD時間が与えられていた。逆にフェラーリは75%、メルセデスは80%と、ベースラインより少ない開発しか許可されていない。
ただ、予算上限違反に伴うペナルティ分を含めて基準値の63%にまで制限されているにも関わらず、レッドブルはコンマ9秒を縮めて3番手の伸びを記録した。
メルセデス、アルピーヌ、ハース、マクラーレン、フェラーリはコンマ6~7秒アップと僅差で並ぶ。
1ラップペースで最も成長が見られないのは、角田裕毅のアルファタウリとアルファロメオだ。過去1年でのゲインは各々、コンマ2秒とコンマ1秒に留まる。