F1カナダGP決勝:雨?晴れ?気になる天気と最速タイヤ戦略
日本時間6月18日(日)27時にスタートを迎える2023年シーズンのFIA-F1世界選手権第9戦カナダGP。レースに先立ち導き出された理論上の最速タイヤ戦略と気になる天気を見ていこう。
ピレリのシミュレーションによると、最も速いのはミディアム、ハード、ハードと繋ぐ2ストッパーで、最初のピットストップ・ウインドウは15~22周目にオープンになると予想されている。
フェラーリ勢とメルセデス勢はハードが1セットしか残っていないため、このストラテジーを採る事はできない。
1ストップ戦略を狙うチームはあるのだろうか?
ピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは「ハードでスタートしてミディアムに履き替える1ストップは、後方グリッド勢にとって一つの選択肢となる可能性がある」と指摘する。
「この戦略は不測の事態に対して柔軟に対応することができる。ここはセーフティーカーが頻繁に導入されるコースであるため尚更だ」
コースのすぐ脇に芝と壁が迫るジル・ビルヌーブ・サーキットはチャンピオンズ・ウォール(ターン13・14)の存在もあって例年、荒れたレースになる傾向があり、過去5年間のセーフティーカー(SC)導入率は60%と高い。
2日目の予選はウェットコンディションでの争いとなったが、日曜午後の現地モントリオールは雲が広がるものの時折、陽が差す予報で、ドライコンディションが予想される。
どちらかと言うと天気より路面の方が不確定要素となりそうだ。
2日目の雨によって路面のラバーは全て洗い流されてしまった。CCTVに障害が発生したため、ドライでロングランに取り組んだのはFP2のみと、各チームのデータは限られている。
ドライとなった場合、レースの進行に合わせて路面は急速に進化していく事が予想される。雨でないにしろ、予選と同じように適切なタイミングで適切なタイヤを履くことがリザルトを大きく左右する事になるかもしれない。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と共にフロントロウに並ぶのは、通算33勝目を目指すフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)だ。オープニングラップでの両者の対決は見ものだ。
前戦ダブル表彰台のメルセデス勢はルイス・ハミルトンが3番手、ジョージ・ラッセルが4番手に続く。W14は燃料を積んだ状態の方が高い競争力を発揮する傾向にある。2台体制という事もあり、アロンソに対してどのような戦略を採るのかも興味深い。
Q2敗退を喫したシャルル・ルクレール(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レッドブル)の追い上げにも注目が集まる。いずれも肝心な時にタイヤ選択を誤った事が予選での敗因だった。