F1とフェラーリの広告価値低下? 巨額資金を提供してきた長年の主要スポンサー失う
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8年間に渡る蜜月関係を築いてきたフェラーリとサンタンデール、両者は今季限りでパートナーシップを解消する事を発表した。スペイン最大の商業銀行グループは、フェルナンド・アロンソの加入と時を同じくして2010年にフェラーリと提携、8シーズンに渡ってフェラーリに巨額の資金をもたらしてきた。
サンタンデールを失うのはフェラーリだけではない。2007年以降、同行はイギリスGPやスペインGP、あるいはイタリアGP等の多くのグランプリ・タイトルスポンサーを務めF1ともスポンサー契約を結んできたが、これも今年限りで終了となる。F1は世界視聴者数とグランプリ来場者数が減少傾向にあり、広告価値が低下している。
F1は現在リバティ・メディア体制の元でブランディングの再構築を図り人気回復に努めているが、スペイン最大の商業銀行グループはこのスポーツの先行きを不安視しているように見える。F1と跳馬に自社のロゴを掲載しない代わりに、同行は先日、クラブ世界一を争うサッカー選手権(UEFAチャンピオンズリーグ)との3年のスポンサーシップ契約を結んだ。
スポンサー料を減額する形でフェラーリとの関係を続けるか、再びフェルナンド・アロンソ有するマクラーレンとパートナーシップを結ぶのでは、と言った憶測もあったが、同行は完全にF1を去るようだ。主要スポンサーとしてフェラーリとの契約を更新するには、年間3,500万ユーロ(日本円にして46億円)が必要だと見られている。
11月29日、サンタンデールは僅か2文の短い声明を発表した。「過去8年間に渡ってサポートしてきたF1レーシングチーム”スクーデリア・フェラーリ”との成功したスポンサーシップを2017年を以て終了します。また、過去11年間を通して当社のブランド認知を高めてくれたF1とのスポンサー契約も終了します」
サンタンデール銀行(Banco Santander S.A.)は、スペイン・マドリードに本拠を置く銀行グループで、ヨーロッパとアメリカを中心とする10の国々で市場シェアを形成している。設立から200年以上の歴史を持ち、時価総額は世界トップレベル、1億2,200万人もの顧客を抱えている。