エクストリームEの創設者兼CEOのアレハンドロ・アガグと国際自動車連盟(FIA)のモハメド・ベン・スレイエム会長、水素オフロードレース世界選手権「エクストリームH」の創設に向けた覚書署名の場で
Courtesy Of Extreme E

オフロード水素レース「エクストリームH」2025年発足、F1と並ぶFIA世界選手権認定へ

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国際自動車連盟(FIA)と電動SUVシリーズ「エクストリームE」は2023年8月31日(木)、初の水素オフロードレース世界選手権「エクストリームH(英:Extreme H)」の創設に向けた覚書に署名したと発表した。

この文書に拘束力はないが、まずは2025年にシリーズを発足させ、2026年に向けて、F1や世界耐久選手権(WEC)、フォーミュラEなどと並ぶFIA管轄下の世界選手権シリーズとしての認定を目指していくという。

2023年7月8日エクストリームEアイスランドE-PrixCourtesy Of Extreme E

2023年7月8日エクストリームEアイスランドE-Prix

モハメド・ベン・スライエムFIA会長は 「モータースポーツに持続可能な動力源を使用することはFIAの重要な目標かつ長期戦略の一部である。水素はその一角を占めるものであり、我々はFIA国際競技規定の一つである水素燃料車に関する安全規定を策定した」と語った。

「エクストリームEのような著名なチームを持つ主要なモータースポーツ団体が水素技術に同じ可能性を見出していることは心強い」

「モータースポーツ競技は優れた研究開発プラットフォームであり、この新シリーズは大きな可能性を秘めている。オフロードという過酷かつ様々なコンディションが想定される環境下での技術テストは業界全体に利益をもたらすはずであり、長期的には、日常的に道路を利用する人々にとって、より環境に優しいモビリティを実現することになる」

今回の発表についてエクストリームEの創設者兼CEOのアレハンドロ・アガグは「我々の選手権の発展と、水素を動力源とするレースへの画期的な移行における重要な第一歩」だと主張する。

「スポーツはイノベーションを推進する上で最も強力かつ効果的なプラットフォームだ」

「コース上では更にエキサイティングなレースが展開され、気候問題に取り組むレースにおける新技術の限界を更に押し広げることになるだろう」

エクストリームEと同じくスパーク・レーシング・テクノロジー製シャシーの採用が見込まれるエクストリームHの車体開発は現在進行中で、2025年の初シーズンに向けて今年後半にプロトタイプが発表される計画だ。

2021年に始まった電動オフロード・シリーズであるエクストリームEには現在、チームオーナーとしてルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグ、ジェンソン・バトンと言ったF1ドライバーが名を連ね、マクラーレンやアンドレッティ、チップ・ガナッシ等、伝説的なチームが参戦している。

エクストリームEは2024年にFIA管轄下のチャンピオンシップ認定を受ける見通しだが、エクストリームHとの統合あるいは、単独での継続など、2025年以降の計画については未定だ。