ジョージ・ラッセル、ポーパシングで背中と胸に痛み「このままでは続けられない」
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ジョージ・ラッセルはメルセデスW13がイモラで抱えていたポーパシングの揺れの程度について「これまで感じたことがない位に極端」だったと説明し、一戦限りといった限定的なものであればまだしも、継続的にこの水準の揺れが続くのはドライバー的には「持ち堪えられない」と指摘した。
シーズン開幕前にはすぐに解消されるとして、各方面から「数戦もすれば誰も話題にしなくなる」とまで言われたポーパシングだが、第4戦を終えた今もその兆候は見られず、パドックでは変わらずキーテーマの一つとなっている。
誰もがこの空力学的な縦揺れに苦しんでいるが、特に大きな影響を受けているのがメルセデスだ。
ゼロポッドを採用するW13はフロアの露出面積が大きく、グランドエフェクトによって生まれるアンダーフロアの負圧に対して剛性が不足しているとの指摘がある。
F1第4戦エミリア・ロマーニャGPの決勝レースを終えたラッセルは「バウンシングに悩まされているすべてのチームが解決策を見つけることを願っている。なにしろこのレベルの酷さが続くとドライバー的にはやっていけないからね」と語った。
「背中が本格的にやばくなってきたのは今週末が初めてなんだけど、酷いバウンシングの影響で胸まで痛くなりそうだ。まぁクルマから最速のラップタイムを引き出すためにはしょうがないんだけど」
ポーパシングを抑えるだけならば容易い。アンダーフロアの気流がストールしないように車高を上げれば良いのだ。だがそれでは競争力が落ちてしまう。ポーパシングによるドライバーへの身体的な負荷は、パフォーマンス追求の代償だ。
痛みに苦しみながらもラッセルは、バルテリ・ボッタス(アルファロメオ)の追撃を抑えて見事4位でクルマを持ち帰った。
「ポイントを最大化できたから、まずまず満足だよ」とラッセル。
「ただ、チャンピオンシップでこのポジションを維持するためには、もっとペースを上げていかなきゃならない。バウンシングの影響で全体的にパフォーマンスが制限されているし、タイヤのウォームアップにも課題がある」
「バーレーン以降の予選で少しスピードが落ちているのは気温の影響だと思う。バーレーンは今シーズンの中で一番気温が高かったからね」
「ジェッダは気温こそ変わらないものの路面が少し滑らかで、メルボルンは少し涼しかった。そしてここイモラはかなり寒い」
「マクラーレンやアルピーヌ、ハースが本領を発揮するのはこういう時なんだ。ただしレースでは少し苦戦するけど」
「僕らはより良い妥協点を見出す必要がある。今日は運良くまずまずの結果が得られたけど、結局のところ予選が悪すぎるのが問題だからね」
4月24日(日)にイモラ・サーキットで行われた2022年F1第4戦エミリア・ロマーニャ・グランプリ決勝レースでは、ポールポジションからスタートしたマックス・フェルスタッペンが通算22勝目を上げ、2位にセルジオ・ペレスが入った事で、レッドブルが6年ぶりの1-2フィニッシュを果たした。
マイアミ・インターナショナル・オートドロームを舞台とする次戦マイアミGPは5月6日のフリー走行1で幕を開ける。