支配的なレッドブル、擁護するメルセデス代表ウォルフ…F1に損失の声を受け
レッドブルが支配的な競争力を持つことはF1人気の高まりに影を落とすのではとの声について、メルセデスのチーム代表兼CEOを務めるトト・ウォルフは、F1は「実力社会」であるとして擁護した。
コンストラクター選手権順位に応じた制限のみならず、予算上限違反によるペナルティにより最も厳しい空力テスト制限を受けてなお、レッドブルは2023年シーズンの開幕2戦で他を圧倒。2戦連続での1-2フィニッシュを飾った。昨年を含めると、過去13戦で12勝を挙げている。
第2戦サウジアラビアGPでは、ドライブシャフトの破損により15番グリッドからスタートを余儀なくされたにも関わらず、マックス・フェルスタッペンはレース半分を前に2番手にまでポジションを上げた。
レッドブルによる一強支配はファン離れの原因になるのではとの懸念の声に対し、かつて8年連続のコンストラクター選手権制覇を成し遂げたメルセデスの指揮官、ウォルフは「我々も力強いシーズンを過ごした事があった。これは実力社会だ」と述べ、犬猿の仲、クリスチャン・ホーナー率いるライバルチームを庇った。
ウォルフはまた、たとえ常に同じチーム、ドライバーが勝利を重ねる事が「ショーとして素晴らしくない」としても、それは勝利のために懸命に取り組んで掴んだ結果であり、レッドブルは「それに値する」として、「自分たちが至らなかった」せいだとも語った。
「我々は誰もが素晴らしいエンターテインメントを望んでいる。彼らに追いつき戦いを挑むことが我々の義務だ。反撃のために全力を尽くし、彼らの弱点を見極めていきたい」
「エンターテインメントはスポーツにつきものだ。(レッドブルによる支配は)商業的には好ましいものではないかもしれない。だが、それがF1を特別なものにしているんだ」
サウジアラビアGPで為す術もなくフェルスタッペンに追い抜きを許した7度のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンは「こんなに速いクルマは見たことがない」と述べ、レッドブルRB19はかつての自分たちよりも遥かに支配的な強さを誇っているとの認識を示した。