2019年第57回デイトナ24時間レースで勝利したキャデラックDPi-V.R10号車
copyright Richard Prince/Cadillac

10号車が大波乱のデイトナ24時間レースを制覇「本当に誇らしい」とフェルナンド・アロンソ

  • Published:

第57回デイトナ24時間レースが1月26日から27日にかけて米国デイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われ、6番グリッドのウェイン・テイラー・レーシング10号車コニカミノルタ・キャデラックDPi-V.R(ジョーダン・テイラー/ランガー・バン・デル・ザンデ/小林可夢偉/フェルナンド・アロンソ)が総合優勝を果たした。

世界三大耐久レースの一つに数えられる今年のデイトナ24時間は現地26日14時35分にスタート。開始2時間弱のところで出動したセーフティカーのタイミングで、2度のF1ワールドチャンピオン、フェルナンド・アロンソが第2スティントを担当。オーバーテイクを繰り返してトップに立ち、序盤に主導権を手にした。

ウェイン・テイラー・レーシング10号車コニカミノルタ・キャデラックDPi-V.R
© Richard Prince/Cadillac

「今日成し遂げた結果を心から誇りに思う。1ヶ月に渡って素晴らしい仕事をしてきた成果だ」とフェルナンド・アロンソ。F1引退後の初戦で見事栄冠を手にしてみせた。

「僕は昨年の12月から今回のレースに向けての準備を進めてきた。キャデラックがどういうマシンで、ウェイン・テイラーレーシングがどういったチームなのかについてのあらゆる書類に目を通し、幾つかの手順については他のチームとは違う事が分かった」

「僕と可夢偉は一刻も早くチームに溶け込むために、公式テストで出来る限りの事を学ぼうとした。今日は本当にすごく難しいレースだった。コンディションは終始目まぐるしく変化していた」

「こうしてこの場に立つことができ本当に嬉しいです」と小林可夢偉。1992年にニッサンから参戦し総合優勝を決めた星野一義らに続き、日本人ドライバーとしてデイトナで勝利を飾った。「例え良いマシンに恵まれたとしても、24時間レースのような競技においては問題やトラブルが多発します。(完走して勝利するのは)決して簡単なことじゃありませんからね」

「今日は本当に難しいコンディションとなりました。チームとドライバーが一丸となって素晴らしい仕事をしていたと思います」

ポールポジションからスタートしたマツダ77号車RT24-Pは、エキゾーストから火を吹きリタイヤ。55号車にも燃圧低下が発生、ピットで修復作業を行いコースに復帰したものの単独スピンを喫し、マツダ・チーム・ヨーストの2台は全滅した。

レース時間の半分を消化したあたりから降雨。雨脚が強くなった15時間のところで11度目のフルコース・イエローとなり、赤旗中断とセーフティーカー先導によって事実上5時間ほどの休戦を強いられるなど、多重クラッシュやアクシデントが多発する厳しいレースとなった。

LMP2クラスを制したのは、パストール・マルドナド/セバスチャン・サーベドラ/ロベルト・ゴンザレス/ライアン・カレンがドライブした18号車オレカ。GTLMクラスは25号車BMW M8 GTE、GTDクラスは11号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボがそれぞれ優勝した。