2018年F1中国GPでポールを獲得し喜ぶフェラーリのセバスチャン・ベッテルcopyright Ferrari S.p.A.

メルセデス牙城陥落…大差でフェラーリに完敗「挽回困難」迫るレッドブルも攻略に自信、時代の潮目変わるか?

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過去6年連続でポールポジションを独占してきたメルセデスの牙城とも言うべき中国GPが陥落しようとしている。14日の予選では、圧倒的な速さでフロントローを独占し続けてきたかつてのメルセデスの姿はなく、赤き跳馬スクーデリア・フェラーリが1列目を占拠した。

タイヤ機能せず…大差で完敗「挽回は簡単じゃない」

「今日のフェラーリは何しろ速かった。コンマ5秒も離されたんだからね。決勝でキミとセバスチャンに打ち勝つのは簡単な事じゃない。ストレートでの速度も一番速いんだから、オーバーテイクも厳そうだ」予選を4番手で終えたハミルトンは肩を落とした。

2018年F1中国GP予選を終えてインタビューに応えるメルセデスのルイス・ハミルトン
© Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.、予選を終えてインタビューに応えるハミルトン

「ここまでライバルと差がつくは予想してなかったよ。車は昨日の時点で既にかなり良い状態だったけど、今日少しだけ変更を加えたんだ」とポールシッターのセバスチャン・ベッテル。「マシンは最高だった。素晴らしいフロントロー争いだったね」ポール争いはフェラーリチーム内対決となり、シルバーアローは完全に蚊帳の外に置かれてしまった。

完敗の理由の一つはタイヤにあった。チーム代表を務めるトト・ウォルフは「タイヤをウインドウに入れる事に手こずっていた。特にウルトラソフトタイヤでは全体的にグリップが足らなかったんだ。その点、フェラーリはどのようなコンディションでも速さをみせていた。予選結果にハッキリとその事が表れている」と語り、タイヤを上手く機能させられなかった事が大きなギャップに繋がったと説明した。

年々メルセデスの優位性が弱まっていたとは言え、フェラーリが90秒サーキットでコンマ5秒という差をつけた衝撃的な事実は、パドックの一部に衝撃を持って受け止められた。その一人は、1996年のF1ワールドチャンピオンであるデイモン・ヒルだ。

英スカイの解説者を務めているヒルは「潮目が変わった」と述べ、2014年から始まったV6ハイブリッド・ターボ時代における歴史的転換期が訪れようとしているのでは、との認識を示した。ヒルは、今後はフェラーリがメルセデスに代わって実権を握る可能性があると考えており、今季限りで契約が満了を迎えるハミルトンの動向に大きな注目が集まるだろう、と付け加えた。ドライバー足る者は沈みゆく船から飛び降りる、というのだ。

メルセデスは射程圏内、とレッドブル

戦力の分散を強いられ兼ねないという点でも、メルセデスが苦しい決勝レースを余儀なくされるのは間違いなさそうだ。5番・6番グリッドからスタートするレッドブルの二人の野心家は、日曜の決勝での表彰台争いに自信をみせており、メルセデスがフェラーリのみを視野にレースを戦う事を許そうとはしない。

レッドブルのダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペン、2018年F1中国GPにて
© Getty Images / Red Bull Content Pool

FP3でターボチャージャーのトラブルと疑われるエンジン故障に見舞われながらも、予選Q1残り3分のところでコースに復帰し6番グリッドを射止めたダニエル・リカルドは「メルセデスを射程圏内に捕らえているのは間違いない」と語り、強気の姿勢を誇示。

チームメイトのマックス・フェルスタッペンもリカルドに同意。「レースでは高出力の予選エンジンモードが使えないから、ロングランでは前の連中にかなり接近できるはずさ」と述べ、メルセデス攻略に自信を示した。中国GP6連覇というシルバーアローの野望に赤信号が灯る。

メルセデス絶対王者時代の終焉の可能性があるという意味において、15日日曜の決勝のリザルトは、レース結果という以上の大きな意味合いをもつ事になるやもしれない。

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