角田裕毅、”攻めの戦略”での1ストッパー狙いも断念「運がなかった」最後列から奮闘も14位…課題は予選
角田裕毅(アルファタウリ)は最後列19番手からのスタートとなったF1第9戦カナダGPで、1周目にピットストップを行う攻めの1ストッパーを狙ったものの早々にセーフティーカー(SC)が導入される展開となり、その後計画を変更。奮闘するも14位とポイントを逃した。
予選でのニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)に対する走行妨害により3グリッド降格を受けた角田裕毅は、クリーンエアーの中での単独走行によって順位を上げるべく、1周目を終えてピットストップに動くアグレッシブな戦略を採った。
ジョージ・ラッセル(メルセデス)のクラッシュに伴う12周目のSCは大きなポジションアップをもたらしたが、あまりにもスティントの序盤過ぎるタイミングだった。角田裕毅は「運がありませんでした」と振り返った。
SCの導入によって14番手にまで浮上したものの隊列は詰まりクリーンエアは消え、この間に古いタイヤを履くケビン・マグヌッセン(ハース)に前を塞がれたために前進できず、チームは2ストッパーへの変更を決定したが、これが更に結果を損ねる事となった。
テクニカル・ディレクターを務めるジョディ・エギントンは「スローストップとなったために予想以上にトラックポジションを失ってしまい、最終的にはアルボンがリードする集団に戻ることができなかった」と説明した。
「1ストップ戦略がもっと良い結果をもたらす可能性があったかどうかを判断するために、ユーキのレースを見直す必要がある」
第3スティントでは終始、旧友ピエール・ガスリー(アルピーヌ)の後方を走り、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)をオーバーテイクしてコース上で順位を上げる場面もあったがポイントには至らず、10位のバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)から8.991秒遅れの14位でフィニッシュした。
戦略面では完璧なレースとはならなかった。ではクルマのペースはどうだったのか?
角田裕毅は「クルマのパフォーマンスはまずまずでしたが、バルセロナほどではありませんでした。その結果、望んでいたほど多くポジションを上げる事ができませんでした」と振り返った。
望んでいたポイントフィニッシュは叶わなかった事は確かだが、角田裕毅は同時に「何度かオーバーテイクもできましたし、良い勉強になりました」とも語った。
アレックス・アルボンの大金星7位入賞によりアルファタウリはコンストラクターズ選手権でウィリアムズに交わされ最下位に転落した。
今後の巻き返しに向けて角田裕毅は「ポイント獲得の可能性を増やしていくには予選で上手くやること、そしてクリーンな週末を過ごす事が必要です」と課題を指摘した。
エギントンも角田裕毅と同意見だ。
「もし良いペースがあれば、上位のグリッドを得られただろう。そうすればよりオーソドックスな戦略を採れただろうし、ポイントを獲得できたと思う」とエギントンは語る。
「予選は今週末における重要なファクターだった。この点に関して我々はもっと上手くやらねばならない」
「そうすればより上位のグリッドを得て、ポイントを落としている現在の状況から巻き返し、コンストラクターズ・チャンピオンシップ争いにおける直近のライバルを退ける事ができるはずだ」
6月18日(日)にジル・ビルヌーブ・サーキットで行われた2023年F1第9戦カナダGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを果たし、2位にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、3位表彰台にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
レッドブル・リンクを舞台とする次戦オーストリアGPは6月30日のフリー走行1で幕を開ける。