クラッシュとは直接関係ない理由でリタイヤしたラッセル、奇跡の復活遂げ入賞圏内走行もガレージに
Published:
メルセデスのエンジニアリング・ディレクターを務めるアンドリュー・ショブリンは、ジョージ・ラッセルがF1カナダGPでリタイヤしたのは、12周目のクラッシュとは直接関係ない理由に依るものだと説明した。
ラッセルは開始序盤、ターン9の立ち上がりでイン側の縁石に乗り上げ、アウト側のバリアに衝突した。右リアとフロントウイングが損傷して大量のデブリが飛散。セーフティーカー(SC)が導入される事態となった。
だがラッセルは奇跡的にピットへと戻りレースに復帰。終盤に向けて8番手にまで巻き返していたが、残り17周という最終盤にピットウォールからの指示を受け、ガレージにクルマを入れた。
リタイヤの原因についてショブリンは「彼のレースはフロントブレーキの摩耗の問題で終わってしまったが、これはインシデントが直接の原因ではなく、バトルを繰り広げる中で直面したトラフィックによるものだった」と説明した。
チーム代表を務めるトト・ウォルフは「ジョージは不運だった。大型の縁石にぶつかり、コーナリングを維持しようとして壁にぶつかってしまった。彼はハードにプッシュしていたが、このクルマにはまだ、少しばかり難しいところがあるようだ」と付け加えた。
今季2回目のリタイヤを経てラッセルは「チームに謝罪したい。週末を通して懸命に働き努力を重ねてきたのに、僅かなミスによって酷い結果を招いてしまった」と振り返った。
「フェルナンド(アロンソ)にプレッシャーをかけようとしていたら、少しワイドになって縁石にぶつかり、気づいたらウォールの中にいた。これによって少なくとも12ポイントを失ってしまった」
「その後は上手くやって、再び上位に戻ってこれたけど、残念なことにブレーキにトラブルが出てしまい、クルマをリタイアさせることになった」
「僕の感触としては問題なかったんだけど、データ上では続行不可能だった」
「今日のレースにはガッカリだけど、ポジティブな要素もあった。このコースで競争力があるとは思ってなかったけど、クルマは速かったしライバルに戦いを挑むことができた」
「チームは素晴らしい仕事をしてくれているし、この先が楽しみだ」
6月18日(日)にジル・ビルヌーブ・サーキットで行われた2023年F1第9戦カナダGP決勝レースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを果たし、2位にフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)、3位表彰台にはルイス・ハミルトン(メルセデス)が続く結果となった。
レッドブル・リンクを舞台とする次戦オーストリアGPは6月30日のフリー走行1で幕を開ける。