ハミルトンよりフェルスタッペンと対戦する方が恐ろしい、とバトン…チームメイト論を受け

予選3位のルイス・ハミルトン(マクラーレン)とポールシッターのセバスチャン・ベッテル(レッドブル・レーシング)、2位のジェンソン・バトン(マクラーレン)、2011年10月8日(土) F1日本GP予選(鈴鹿サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ルイス・ハミルトン(メルセデス)の”チームメイト論”を受けて2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンは、ハミルトンよりマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をチームメイトとすることの方が「恐ろしい」と語った。

7度のF1王者はイタリアGPを前に「僕のチームメイトは誰もが、マックスのチームメイトより手強かった」と述べ、フェルスタッペンの成功は過大評価されていると主張した。この発言の週末、25歳のオランダ人ドライバーはモンツァで誰もがなし得なかったF1史上最多10連勝を飾った。

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マックス・フェルスタッペンの10連勝を祝うクリスチャン・ホーナー代表、スポーティング・ディレクターのジョナサン・ウィートリー、ヘルムート・マルコらレッドブルのメンバー、2023年9月3日(日) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)

英「Sky Sports」に対してバトンは「ルイスにはワールドチャンピオンを含めて本当にタフなチームメイトが何人かいたと思うけど、僕にとっては同じクルマでマックスと対戦する方がもっと恐ろしいね」と語った。

クルマに対する適用能力という点でフェルスタッペンはハミルトンより優れているとバトンは感じているようだ。

「彼のスタイルに合わせてクルマがデザインされているから、もしくは世界で一番速いマシンだと言ってエイドリアン・ニューウェイから与えられたクルマを彼は乗りこなす事ができると、と僕が考えているからだ。あのクルマはフロントのダウンフォースを削ればドライブしやすくなるけど遅くなる」とバトンは説明する。

「マックスは『クルマが作られた意図に沿うように、できる限り上手くドライブしなきゃならない』って感じで走らせているように思うけど、彼はそれが本当に得意なんだ。その一方で色んなドライバーはこれに合わせ込むのに苦労していると思う」

「彼らは皆、世界最高のドライバーだし、これまでのF1で見た中で最も優れている。マックス、ルイス、そしてフェルナンド(アロンソ)の3人の間でもっと上位争いがあればいいのにと思う。この3人は際立っているからね」

「でもF1ではそうはならない。テクノロジーが物を言うレースだからね。レッドブルには賛辞を送りたい。彼らは今、素晴らしい仕事をしている」

手強かったチームメイトとしてハミルトンが名前を挙げたバトンは、2010年から2012年までマクラーレンでチームメイト関係にあり、そのうちの2シーズンのランキングでハミルトンを上回る成績を残した。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

ジェンソン・バトンとマックス・フェルスタッペン、2017年のF1モナコGP予選にて

バトンが怯えるほどの適用能力を持つフェルスタッペンに対して同じRB19をドライブするセルジオ・ペレスは、ランキング2位の座を維持しているものの一方的な苦戦を強いられている。

そんなペレスに代わって将来的にフェルスタッペンとチームメイトになる可能性が指摘され続けているランド・ノリス(マクラーレンと2025年末まで契約)に対してバトンは次のように述べ、アドバイスを送った。

「核心にあるのは、結局のところワールドチャンピオンになるためには、一番強いドライバーを打ち負かさなきゃならないということだ」

「僕がブラウンGPを去ったのは『ルイス・ハミルトンと対峙しなきゃならない。だからマクラーレンに移籍しなきゃ」って考えたからだ。彼は当時、最も優れたドライバーと見なされていたからね」

「つまり、彼(ノリス)は何をすべきかを決断しなきゃならない。賢明であれば自分のスタイルに合ったクルマを選ぶだろう。マックスを除いて多くのドライバーが合わせ込めなかった事を踏まえれば、(レッドブルへの移籍は)彼にとって容易な決断じゃない」

「今年は勝てる状況にないし、おそらくそれは来年も変わらない。そうなると2025年に向けて他の場所を探すか、マクラーレンを信頼するかのどちらかだ。彼らはレースで勝利を収め何度も選手権を制覇したチームだし、またチャンスが巡ってくるかもしれない」

「この先を見据えてマクラーレンがチームとして良い方向に進んでいると考えるなら、そしてそれが彼に自信を与えるなら、その場に留まるべきだけど、そうでないのであればマックス・フェルスタッペンと戦うべきだ」

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