メルセデスのバルテリ・ボッタスは、前戦モナコGPでのピットストップでの一件について、過失の一部が自身にあるとするかのようなチーム代表のトト・ウォルフの発言に驚きを隠さなかった。

モンテカルロでの決勝でボッタスは2番手を走行していた際、しっかりとハマッていない状態のままメカニックがホイールガンを回転させた事で右フロントのナットが舐めてしまうというアクシデントに見舞われた。

一旦削られてしまったナットをガンで回す事が出来るはずもなく、ホイールが取り外せなかった事でボッタスは悲劇的にもリタイヤを強いられ、大量得点を逃す事となった。

これについてウォルフはレース後、独メディアの取材に対し、ボッタスが規定の位置よりも手前に止まったためメカニックがガンをホイールに対して斜めに当てる事となり、その結果ナットが舐めてしまったと説明したが、ボッタスはこれに納得していない。

ボッタスは第6戦アゼルバイジャンGPを前に行われたFIA木曜会見でこの件について問われると「ああ、驚いたよ」と苦笑し、チーム代表の意見に同意しなかった。

「映像を見たけど、僕が停車した場所はかなり正確だったから、（ウォルフの発言には）かなり驚いた」

「センターラインから2～3cmはズレていたと思うけど、これだけの精度があれば通常はかなり良いと言える。何しろ10～15cmは簡単に動いてしまうわけだから、かなり正確だと思う」

ピット作業に関して前々から課題を感じていたというボッタスは、数戦前の段階から既にチーム側にこうした懸念事項を伝えていたとして「自分たちのピットストップが完璧でない事は分かっていたし、（事件は）唐突に発生したものではない」と述べ、モナコでの問題は起こるべくして起こった問題との考えを示した。

なお過失発言については、ウォルフと直接話し合ってはいないと述べ、口を一文字に結んだ。

確実視された2位表彰台を失った事の落胆ぶりは酷く大きかったようで、ボッタスは乗り越えるのに「2・3日かかった」と明かしたが、前回大会でポール・トゥ・ウインを果すなど、幸いにもバクー市街地コースはボッタスが得意とするサーキットであり、雪辱を果たす上では絶好の舞台と言える。

しかしながらボッタスは開幕を翌日に控えたこの日、フライト上のトラブルの影響で母国フィンランドから出国できず、オンラインを通して地元の空港から木曜プレスカンファレンスに参加する事を強いられており、出鼻を挫かれた恰好だ。

ただ、幸いにも別の便で木曜中にバクー入りした。フリー走行では予定通りW12のステアリングを握る事になる。

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