事故で両足切断の18歳モンガー、夢に向かってF3マシンのテストを完了!ハミルトン「誇りに思う」
昨年4月イギリス・ドニントンパークで行われたブリティッシュF4レース中に、悲惨な事故に見舞われたビリー・モンガーが、事故後初めてシングルシーターのテスト走行に挑戦した。両足切断のクラッシュから9ヶ月、英国出身の18歳の若いドライバーは、自身の夢に向かって再び走り出した。
モンガーは6日(火)、オウルトン・パークで名門カーリン・レーシングのBRDCイギリス・フォーミュラ3マシンを使ったテストプログラムに参加、「数カ月前はこんなことが可能になるなんて思いもしなかった!」と喜びを露わにした。
「まだ道のりは長いけど、目標に近づいてきている。今日という日を与えてくれたカーリン・レーシングに感謝してる」
誰もが目を覆うような悲惨な事故だっただけに、今回のテストはモンガーにとって予想だにしない出来事になった。ライバルマシンとクラッシュしたモンガーは、車から救出されるまでに一時間以上もの時間を要した。そのため、担当医に選択の余地はなく、左足は膝上から、右足は膝下から切断されるに至った。そのおぞましい映像は世界中の悲しみを誘い、治療や手術代などの寄付が相次いだ。
同郷のF1ワールドチャンピオン、ルイス・ハミルトンは「ビリー!君を誇らしく思う」と述べモンガーの復帰を歓迎した。ハミルトンは昨年のイギリスGPでモンガーを特別ゲストとして招待しており、同じ夢を志した後輩を気にかけていた。
競技中の不幸なアクシデントや病気等によって障害を負った人々が、そのハンデキャップを乗り越え活躍する先例は数多い。2001年、CART中のクラッシュのために両足を失い、パラリンピックで金メダルを獲得したアレッサンドロ・ザナルティ。壊疽性筋膜炎で両手両足の切断を余儀なくされたにも関わらず、2016年ル・マン24時間レースLMP2クラスで完走を果たしたフレデリック・ソーセ等、世界にはモンガーの希望の光となる英雄がいる。
モンガーはソーセと共に、2020年ル・マン24時間レース参戦に向け準備を進めている。