なだれ懸念…フェルスタッペンの2周目ピットは判断ミス?レッドブル、戦略の背景を説明
7月29日のF1第13戦ベルギーGPスプリントで、レッドブルがマックス・フェルスタッペンを1周目の初めにピットインさせなかったのは判断ミスだったのだろうか? 結果的にリザルトには影響なかったものの、これによりフェルスタッペンはポジションを失った。
シュートアウト2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を含む10台が1周目にフルウェットからインターミディエイトにタイヤを交換した一方、ポールのフェルスタッペンは1周遅れでピットイン。2番手に後退した。
幸いにも、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)のインシデントに伴い導入されたセーフティーカー(SC)のリスタート直後、ケメルストレートでピアストリの攻略に成功。6.677秒差をつけ逆転のポール・トゥ・ウインを飾ったが、勝利を失う可能性もあった。
ピット戦略は誤りだったのか? そう問われたフェルスタッペンは「安牌を切っただけだと思う」と述べ、「最初に交換する事もできたけど、他のクルマにブロックされたりSCが出たりして大損する可能性もあったわけで、ステイアウトについては気にならなかった」と続けた。
「例えば全車がピットインした場合、かなりリスキーな状況になっていたはずだ」
「それにこの手のコンディションだと、かなりの確率でインシデントが起きる可能性があるわけで、だからこそ少なくとも1周は走るという安全策を取ったんだと思う」
「結果的に1つポジションを失ったけど、インターを装着した僕らを見てもらえれば分かるように、自分たちに速さがある事は分かっていたし、実際飛ぶように速かったし、何も問題ないよ」
今回の戦略についてクリスチャン・ホーナー代表は、仮に1周目に全車がピットになだれ込んできた場合、ガレージの位置関係からピットアウトできずに最後尾にまで転落するリスクがあったと説明した。
「ピットレーンの一番手前にガレージがある事の特権は、グリッド全車が後ろからやってくるかもしれないという点にある」とホーナー。
「マックスにとっては、兎に角スタートを切ってチェコ(ペレス)をピットに入れる方がより安全だった」
「マックスは1周目の終わりにピットに入り、オスカーの後ろに出たものの、彼を追い詰めて勝利をもぎ取った。オスカー・ピアストリはまたも非常に強い走りを見せた」
「これはリスクとリターンの問題だった。結局のところは知る由もないが、ある時点では上手くいっていなかったように思う。ただ我々は良いペースで走れると自信を持っていた」
「マックスによるとオスカーはタイヤをかなり酷使していたようだし、それが逆転勝利を容易にしたかもしれない」
2023年F1ベルギーGPスプリントではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3位にピエール・ガスリー(アルピーヌ)が続く結果となった。
決勝は日本時間7月30日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周7004mのスパ・フランコルシャンを44周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。