ホンダF1、第4戦で早くもスペック2の内燃エンジンを投入…耐久性と信頼性・パフォーマンスを改善
ホンダF1は、2019シーズンのF1第4戦アゼルバイジャンGPで、早くもスペック2の内燃エンジン=ICEを投入。レッドブルとトロロッソの計4台全てが、改良版のエンジンでバクー市街地コースに臨む。
現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは改善されたICEについて「耐久性と信頼性が向上」しており、パフォーマンスについても若干改善していると明らかにした。事前には、ホンダが20馬力相当の性能向上を果たしたアップグレードを持ち込むとの噂が流れていた。
「今回のラウンドで、4台全車にアップデートしたSpec2のICE投入を決めました」と田辺TD。「アップデートの内容は主に信頼性の向上ですが、若干のパフォーマンスアップも行っています。最善を尽くしてレースに臨みたいと考えています」
トロロッソの2台は前戦中国GPで既にエンジンを交換している。ダニール・クビアトはFP1の後にトラブルが発生し、アレックス・アルボンは最終プラクティスの際に大きなクラッシュに見舞われた。
ホンダは問題が発生したクビアトのPUを開発拠点であるHRD Sakuraに持ち込み解析。ICEに品質管理上の課題が確認されたため、4台同時での交換を決めたのだという。
今回のエンジン交換に伴い、クビアトとアルボンはレギュレーションで許可された年間3基のコンポーネントを消化した事になる。規約ではICEとターボチャージャーとMGU-Kを年間3基、MUG-Kとエナジーストア(バッテリ)とコントロール・エレクトロニクスを年2基までと定めており、トロロッソ・ホンダの2台はペナルティに王手をかけた状態となる。
レッドブル・ホンダの2台は後1回の猶予を残す事になるが、シーズン4戦目での2基目の投入によって、マックス・フェルスタッペンとピエール・ガスリーは残りのシーズンで最低あと2回はエンジン交換を行う事が予想される。
第4戦の地、バクー市街地コースは全長2kmを超えるカレンダー最長のロングストレートを有するため、パワーユニットへの負荷は大きく、またパワーユニット性能がラップタイムに与える影響も大きい。
田辺TDは今回のエンジン交換の理由について信頼性の問題を上げているが、バクーのコース特性がテクニカルチームの判断に影響を与えた可能性は少なくないだろう。
「バクーは、市街地らしい90度コーナーと2kmを超えるストレートが組み合わされ、ストリートサーキットの中ではカレンダー中で最も高速になります」と田辺TD。バクーにおけるエンジンの重要性を次のように説明する。
「長いストレートを含むコースレイアウトでは、エネルギーマネジメントが一つの鍵となります。昨年来、いろいろと学んできたノウハウを活かして最適化を図りたいと思います」