F1ブラジルGPのプレスカンファレンスに出席したハースF1の小松礼雄copyright Getty Images / Red Bull Content Pool

小松礼雄、参戦3年目の大躍進ハースを語る「シーズンを通してマシン開発が出来たのは今年が初めて」

  • 最終更新:

F1の中で唯一アメリカに本拠地を置くノースカロライナのチームは最終アブダビGPを残す今、ロマン・グロージャンとケビン・マグヌッセンのコンビによって90ポイントを獲得。6位マクラーレンに28ポイントもの差をつけコンストラクターズ5位の座を確実なものとしている。

ハースF1チームは2016年にF1への新規参入を果たし、初年度にコンストラクターズ8位、2シーズン目に同じ8位をキープ。そして参戦3年目の今年、マシンの戦闘力を飛躍的に向上させ、創設以来過去最高位を手にしようとしている。

ハースはフェラーリとの密接な協力関係を武器に、パワーユニットのみならずフロントサスペンションを始めとする多数のパーツの供与を受けており、毎年シーズン序盤は他の中団チームを圧倒するパフォーマンスを示してきた。だが、人員リソースが他と比べて圧倒的に少ない事もあり、シーズンが進むに連れて徐々に後退する傾向があった。

ところが今年は一変。サマーブレイク前後のハンガリー、ベルギーと2戦連続で2台揃ってトップ10フィニッシュを飾ると、第20戦ブラジルGPでもグロージャンが8位、マグヌッセンが9位を獲得。一貫したパフォーマンスを示している。

急激なパフォーマンス向上の裏には何があったのか?レースエンジニアを務める小松礼雄は、今年は一年間を通してマシン開発を行う事が出来た初めての年であったとコメント。過去3年目に渡るハースの開発状況を振り返った。

「今年はあらゆる領域を改善してきたつもりです。我々にとってはまだ参戦して3年足らずであり、今年は初めてシーズンを通してマシン開発を行う事を決断した年でした」

「最初の一年目はオペレーションで手一杯でしたし、2年目も若干パフォーマンスに焦点を当てられただけで、今年ようやくシーズンを通してクルマを開発しパフォーマンス向上に取り組む事が出来ました。今年の開発に集中するために、昨年はシーズン序盤で開発をストップさせましたが、その成果が出ているという事です」

ハースの2018年型F1マシン「VF-18」は、2017シーズンの開幕と同時に開発がスタートしており、十二分の開発期間を経て実戦投入された。

「ベースラインに非常に満足していますし、特に3シーズン目という事を考えればオペレーションにも手応えを感じています」

オーバーテイク数の改善を目指すF1は来シーズン、追い抜きの障害となるマシンの乱気流を減らすべく、前後ウイングの簡素化を含む空力に関わる大規模なレギュレーション変更を行う。舞台裏ではすでに来季に向けた開発競争が始まっているが、新参のハースはこの変化に対応し現在の競争力を維持できるのだろうか?

「我々は上手く対処していると考えています。参戦初年度の2016年から17年にかけての規約変更も大規模であり難しい課題でしたが、なんとか対応していますしね。空力に関して言えば、今年のマシンに対する理解はまずまずですし、うちのエアロチームが来年に向けて良い仕事をしてくれるでしょう」

ハースに先行するのはメルセデス、フェラーリ、レッドブルの強豪3チームに加えて、ワークス参戦するルノー・スポールの4チーム。選手権5位という位置はプライベーターとしての最高位であり、ハースとしては来年もこのポジションを維持できるかどうかがターゲットとなる。

「来年も今年と同じコンストラクターズ5位をキープ出来るかは何とも言えませんね。競争事ですから。ライバルよりも良い仕事をする必要がありますから簡単なことではありません。我々はちゃんと現実を見据えていますし、5位を獲得できるチャンスを掴めるよう、自分たちの状況を客観的に見つめて、あらゆる領域を改善させる必要があると考えています。年間5位は高いハードルです。でも、我々は全力で挑戦するのが大好きなチームですから」

ハースは来年、英国のエナジードリンク、リッチエナジーをタイトルスポンサーに迎えリソースを強化。「リッチエナジー・ハースF1チーム」としてF1での4シーズン目に挑む。