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F1第11戦イギリスGPでブラッド・ピット主演の新作映画の撮影が本格的に開始された。シルバーストン・サーキットには映画に登場する架空のチーム「Apex GP」のガレージが設けられ、各セッションの合間を縫ってコース上で撮影が行われている。
ルイス・ハミルトンがプロデューサーである事もあり、英国ブラックリーを本拠とするメルセデスはタイトル未定の本作に早くから関与。F2マシンのホイールベースを伸ばし、最大15個のカメラが設置可能な撮影用のF1改造車両を作り上げた。意外にもこれはメルセデスではなく、フェラーリのフレデリック・バスール代表の発案だった。
メルセデスのトト・ウォルフ代表は「最初の話し合いの時だったと思うが、ブラッドをフランスのドライビングスクールに行かせて、F4より上のフォーミュラカーを一通り体験してもらった。物語の手助けとなるよう、我々はかなり早い時期から関わっていたんだ」と説明した。
「ルイスはエグゼクティブ・プロデューサーとして、できるだけ現実に近い映画にしたいと考えていてね。ちょっと笑ってしまったけど、とても良い物語だと思うよ」
「彼らは努力を重ね、我々は彼らに協力してきた。F2マシンを使ってF1のような車体を作るというのはフレッドのアイデアだったと思う」
「その後はガレージやピットウォールなど、可能な限り現実的なデザインになるようサポートしてきた。今ご覧の通り、それは大変な努力だった」
「数週間前、監督と話をしていた時に、ハリウッドにいるよと言われるだろうと思いながら何処にいるのか?と聞いたら『ブラックリーのアパートだ』って言うんだ。映画監督といっても素晴らしいことばかりじゃない」
「こうしてガレージに足を踏み入れたり、その背後にあるセットを見たりできるなんて本当に信じられない思いだ」
F2改造計画についてバスールは「多分、1年と数カ月くらい前だったと思うが、何度か話し合いをしてね。(実際のF1マシンと比べて)ファンがどの程度、違うと思うかは分からないが」と振り返った。
「クルマの仕上がりは見事だと思う。私はこういった事の専門家ではないが、ガレージに入ると、それがれっきとしたF1チームであり、実際の幾つかのチームより素晴らしいとさえ感じるだろう」
「 彼らの仕事ぶりは驚くべきものだし、映画が期待通りのものに仕上がる事を願っている。F1にとって途方もない後押しになるだろうからね」
この映画はF1からの全面的なバックアップを受けて撮影が進められている。NetflixのF1ドキュメンタリー「Drive To Survive」が新たなファンの獲得を大きく後押ししたように、本作に掛かるF1側の期待は大きい。
初日金曜の夜に行われたドライバーズ・ブリーフィングには現役ドライバーに交じるブラッド・ピットの姿があった。
59歳のハリウッドスター、ブラッド・ピットは、ダムソン・イドリス演じる若手ドライバー「ジョシュア・ピアース」のアシスト役としてF1に復帰するベテランドライバー「ソニー・ヘイズ」を演じる。
金曜に続き、イベント2日目の7月8日(土)もFP3開始前の25分間と15分間の2回に渡ってコース上で撮影が行われる。また、FP3終了10分後からは10分間、予選終了10分後からは20分間、そして決勝当日はレース前に2回に渡って10分間の撮影が予定されている。