アルピーヌ、F1含むモータースポーツ統括部門を設立…指揮官にブルーノ・ファミンを任命
アルピーヌは2023年7月10日(月)、ヴィリー=シャティヨンのF1パワーユニット部門を率いるブルーノ・ファミンをアルピーヌ・モータースポーツのバイス・プレジデント(VP)に任命したと発表した。
新設のアルピーヌ・モータースポーツはFIA-F1世界選手権、FIA世界耐久選手権(WEC)、カスタマーレース、ラリーレイド、アルピーヌ・アカデミーに至る全てのモータースポーツ活動を統括する組織で、その責任者をファミンが務める。
つまりファミンの立場は、アルピーヌF1チームを率いるオトマー・サフナウアー代表の上司という位置付けで、エンジニアリング&プロダクトパフォーマンス担当VPのフィリップ・クリーフや、セールス&マーケティング&カスタマーエクスペリエンス担当VPのアントニーノ・ラバーテと並び、ローラン・ロッシCEOの直属部下として仕事に取り組む事になる。
アルピーヌによるとファミンは今後、「ル・マンやダカールでのタイトルを含むモータースポーツにおける広範な経験」および「アルピーヌのF1 PUを信頼できるリファレンスとして再確立する際に役立てた定評あるエンジニアリングのノウハウ」そして「FIAの重役を長く務めたことによるモータースポーツ規定に関する豊富な経験」を活用し、すべてのモータースポーツ活動を監督していくという。
2012年から2019年までプジョー・スポーツのディレクターとしてパイクスピークやラリークロス、ダカールでの勝利を導いてきたファミンは、2019年から2022年2月まで国際自動車連盟(FIA)でオペレーション・ディレクターとスポーツ事務次長を務めた後、昨年3月にアルピーヌ・レーシングのエグゼクティブ・ディレクターに就任した。
なおファミンは今後も引き続き、ヴィリー=シャティヨンにあるエンジン部門のマネージング・ディレクターを務める。
アルピーヌF1チームは今年、厳しいシーズンのスタートを切ったが、エステバン・オコンが3位表彰台、ピエール・ガスリーが7位入賞したモナコで目覚ましい活躍を披露。残りのシーズンに向けて上位争いに名乗りを上げたかに思われた。
だが、その後は再び低調な週末が続いており、前戦イギリスGPではオコンが油圧系統のトラブルにより、ガスリーはランス・ストロール(アストンマーチン)との接触により各々リタイヤを喫し、今季3回目の無得点に終わった。
結果、30点というレッドブルに次ぐ大量得点を獲得したマクラーレンに交わされ、コンストラクターズ選手権6位に後退した。