アルピーヌF1、ハリウッド人気俳優含む投資家グループに株式24%を売却…300億円超を調達

アルピーヌの2023年型F1マシン「A523」のノーズ先端にある冷却用ダクト、2023年2月25日F1プレシーズンテストCourtesy Of Alpine Racing

アルピーヌと親会社のルノー・グループは2023年6月26日(月)、ハリウッド俳優のライアン・レイノルズやロブ・マクエルヘンニーを含む米国の投資家グループに株式の24%を売却。2億ユーロ(約312億円)を調達したと発表した。

投資家グループにはオトロ・キャピタルとレッドバード・キャピタル・パートナーズ、そして映画「ブレイド3」や「デッドプール」の出演で知られるレイノルズ率いるマキシマム・エフォート・インベストメンツが含まれている。英国エンストンを拠点とするF1チームの評価額についてアルピーヌは9億ドル(約1,289億円)と発表した。

creativeCommons Gage Skidmore

米ハリウッド俳優のライアン・レイノルズ、 2018年7月21日カリフォルニア州サンディエゴのサンディエゴ・コンベンションセンターにて

取引の一環としてオトロ・キャピタルの共同創設者兼パートナーであるアレック・シャイナーがアルピーヌ・レーシング社の取締役会に加わる。

フランスのヴィリー=シャティヨンでF1パワーユニットを開発・製造しているアルピーヌ・レーシングSASは今回の取引には含まれず、従来どおりルノー・グループが100%所有する。

レッドバードはイタリア・セリエAのACミラン、イングランド・プレミアリーグのリバプール、大リーグ(MLB)のボストン・レッドソックスなどをポートフォリオに持つ米投資会社で、マキシマム・エフォートには米国人俳優で映画プロデューサーでもあるマイケル・B・ジョーダンや英ウェールズのサッカークラブ「レクサムAFC」共同会長のロブ・マケルヘニーが共同投資家として名を連ねている。

今回の取引によりアルピーヌは「メディア、スポンサーシップ、チケット販売、ホスピタリティ、コマーシャル・ライツ・マネジメント、ライセンシング、マーチャンダイジング戦略など、スポーツ業界における投資家グループの集合的な専門知識と実績から恩恵を受け、さらなる価値創造と新たな成長に向けてレバーを解き放つ事ができる」としている。

マキシマム・エフォートの共同設立者であるジェームズ・トニーは「我々はストーリーテリングを通して価値を引き出すことに重点を置いている。アルピーヌ・レーシングには未開拓の大きな可能性があると信じている」と語った。

調達した資金の用途についてアルピーヌのローラン・ロッシCEOは「最先端の施設と設備を以てトップチームにキャッチアップする事を目的とした”マウンテン・クライマー計画”を更に加速させるためにチームに再投資する」と説明し、「この提携は、あらゆるレベルで我々のパフォーマンスを向上させるための重要なステップだ」と強調した。

アルピーヌは2022年、100レース以内にチャンピオンシップ争いに加わる事を目指すとするマウンテン・クライマー計画を立ち上げた。

エステバン・オコンとピエール・ガスリーを擁するBWTアルピーヌF1チームは今年、チーム代表のオトマー・サウナウアー指揮の下、開幕8戦を終えてレッドブル・ホンダRBPT、メルセデス、アストンマーチン・メルセデス、フェラーリに次ぐコンストラクターズ選手権5位につけている。

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