アルファタウリF1の”風変り”な新チーム名「単なる名称変更」に非ず、とレッドブル…全面にスポンサー
米国の決済企業「VISA」との「前例のない複数年契約」によりアルファタウリは2024年シーズン以降、「Visa Cash App RB」というF1史上最も風変わりな名前の一つを名乗る。
新たなチームの本体名は当初「レーシング・ブルズ」が取り沙汰されていたものの、タイトルスポンサー・マネーの最大化を目指したかのように、最終的には「Red Bull」あるいは「Racing Bulls」の頭文字を表す僅か2文字の「RB」となった。「Visa Cash App RB」はもはや、タイトルスポンサー名しか目に入ってこない。
ファエンツァのチームをなんと呼ぶべきかについて、SNSで多くの議論が巻き起こる事は疑いないが、RBにコンポーネントを供給するレッドブル・テクノロジーの最高マーケティング責任者を務めるオリバー・ヒューズは「新しいアイデンティティは単なる名称変更ではない」と強調する。
Visa Cash App RBの誕生についてヒューズは「非常に重要な瞬間」と表現し、「チームを新たなレベルの競争力へと導くためにデザインされたスリリングな新しい旅の始まり」だと主張。「それはチームのタイトルパートナーに、世界で最も象徴的なブランドのひとつが存在することで証明されている」と続けた。
Visaは、その核となるクレジット決済ビジネスでの世界的リーダーとしての地位から進化し、デジタル金融サービスの先駆者となることを目指している。
リバティ・メディアによる買収後のF1はアメリカを中心としてグローバルで急速に人気を高めている。これに伴いプロモーション/ブランディングのためのプラットフォームとしての価値も上昇。チーム買収を含めて多くの企業が熱い視線を投げかけている。
Visaの最高マーケティング責任者を務めるフランク・クーパー3世は本提携を「画期的」と評し、Cash Appのブランド責任者を務めるキャサリン・フェルドンは「米国におけるF1の継続的な成長を背景に、このスポンサーシップによりF1ファンとの関係を深めることができる。また、顧客により多くの価値を提供しながら、米国F1ファンの文化をサポートし成長させるというCash Appの取り組みを推進することができる」と付け加えた。
ファエンツァのチームは伝統的に、レッドブル・レーシングの将来のドライバー候補を発掘・育成するためのインキュベーターとして機能してきた。
しかしながらRBチームの最高経営責任者(CEO)を務めるピーター・バイエルは、VisaとCash Appという新しいパートナーの参加により確保したリソースと機会を活かし、今後は「F1で最大の賞を争うことに、より焦点を当てていく」計画だと説明し、成績重視の姿勢を強調した。