デ・フリース起用は「正しい決断」とアルファタウリ、”感情的”な解雇を振り返るトスト代表
Published:
スクーデリア・アルファタウリのフランツ・トスト代表は、最終的にシーズン途中で解雇するに至ったものの、ニック・デ・フリースと契約を結んだのは「正しい決断」だったと主張した。
開幕10戦で一度もポイントを獲得できず、チームメイトに遅れを取り続けた事でハンガリーGPを前にシートを失ったデ・フリースに対しては、角田裕毅やシャルル・ルクレール、アレックス・アルボン、ルイス・ハミルトンら多くのライバルから、もう少し猶予を与えるべきだったのではとの擁護の声が上がった。
レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコが主導したデ・フリースの起用は、ウィリアムズから出走した昨年のイタリアGPでのパフォーマンスに基づき下された。
シーズンの半分を待たずにドライバー交代が行われたという事実は、結果的に見ればその判断が誤りであった事の左証と言えるが、トストはそうは考えていない。
F1ハンガリーGPの初日を迎えたハンガロリンクで、契約書を交わす前にもっと時間をかけて見極めるべきだったのではと問われたトストは「彼にはあれ以上、レースの予定がなかったため、それができる余地はなかった」と答えた。
「あれは最終的にレッドブルによって下された決定だ。時が経ち、誰もがもう少し利口になった。あれはあの時点で正しい決断だったと思う」
トストはまた、契約解除に至った理由の一つとして、ロサイル・インターナショナル・サーキットやマリーナベイ市街地コースといったデ・フリースにとっての未知のコースがカレンダー後半に並んでいる事を挙げた。
「ニックとは本当に素晴らしい関係を築いていたため、これは本当に感情的な決定でもあった」
「彼は我々の元で難しい時間を過ごす事になった。まず第一にルーキーにとって、今年のシーズン前半はさほど簡単なものではなかった。なぜなら、メルボルンやマイアミ、サウジアラビアといったルーキーにとっては初めての経験となる多くのサーキットが並んでいたからだ」
「おまけにバクーはスプリントフォーマットだった。つまりプラクティスはFP1のみで、それが終わるとすぐに予選を戦わなければならなかった」
「要するに近年のF1において新しくF1に来た若いドライバーは最善の方法で準備する必要があるという事だ。私に言わせればそれは、アルピーヌがピアストリに対して行ったように、少なくとも5千~6千kmの旧車を使ったプライベートテストが必要だという事を意味する。これが進むべき道なのだ」
現時点でコンストラクターズ選手権最下位に沈むチームの指揮官はまた、クルマの性能が劣っていることでデ・フリースが一層、困難な状況に置かれた事を認めた。
「我々のクルマにはさほど競争力がない。クルマがあまり良くないと、より一層難しくなるものだ」
「オーストリアとシルバーストンはニックがよく知るコースであったため、もっと良いパフォーマンスを期待していたのだが、そうはならならなかったためドライバーを変える事にした」
「それにシーズンの後半にはシンガポールや日本、メキシコ、オースティン、カタールといった彼の知らないコースが並んでいた。楽にはいかなかった事だろう」