さらばアルファタウリF1、2024年名称変更へ…新体制の下で大転換。角田とデ・フリースの去就を語るマルコ

スクーデリア・アルファタウリのガレージに貼られたスポンサーロゴ、2023年3月18日F1サウジアラビアGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

「スクーデリア・アルファタウリ」は僅か4シーズンでF1史から姿を消す事になりそうだ。レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは2024年にチーム名を変更する予定だと明かした。

伊ファエンツァのチームは大転換の時を迎えている。設立時からプリンシパルを務めてきたフランツ・トストは2023年末限りで退任し、新たな経営陣がこれに取って代わるだけでなく、チーム名や角田裕毅とニック・デ・フリースのドライバーラインナップにも変化が予想される。

オーストリアの「Kleine Zeitung」とのインタビューの中で来季の計画について問われたマルコは「アルファタウリは2024年からローラン・メキースとピーター・バイエルという2人の新しいリーダーを迎えることになる。新しいスポンサーも加わり、名前も変わる事になる」と語った。

タイトルスポンサーという位置づけのレッドブル傘下のファッションブランド「アルファタウリ」は販売及び販路拡大が思うように進んでおらず、マルコは今年3月にチーム名変更の可能性をほのめかしていた。

Courtesy Of Red Bull Content Pool

アルファタウリの2020春夏コレクションのファッションショー

チーム名称のみならず、2024年以降はマシン開発のアプローチを変更し、レッドブルのデザイン哲学を可能な限り踏襲する方向に舵を切る。「方向性は明確だ。レギュレーションで許される限りの範囲内でレッドブル・レーシングをベースにする。DIYによる構築は間違ったやり方だ」とマルコは語った。

アルファタウリは前戦カナダGPでウィリアムズに蹴落とされ、コンストラクターズ選手権最下位に転落した。対照的にレッドブルは破竹の勢いで勝利を積み重ねており、2年連続のチームタイトル獲得は疑いない。

アルファタウリを含むレッドブル系の2チームはホンダ製F1パワーユニットを搭載すると共に、レッドブルテクノロジー社から車体パーツの供給を受けている。

レギュレーション上、原則としてチームはマシンを独自に開発しなければならないが、トランスファラブル・コンポーネント(transferrable components、TRC)に分類されているパーツに関しては他チームからの供給が許可されている。

アストンマーチンがかつてレーシングポイントを名乗っていた2020年の「RP20」は、メルセデスの前年のチャンピオンマシンを合法的に模倣して大きな成功を収めた。

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英国ミルトンキーンズにあるレッドブル・レーシングのファクトリー外観、2021年1月22日

アルファタウリの前身であるトロロッソは当初、レッドブルの型落ちシャシーを使用してF1に参戦していたが、レギュレーションにより禁止されたため2010年より独自に車体を開発してきた。

開発部門はイタリアのファエンツァとイギリスのビスターの2箇所に置かれているが、2024年以降は英国ミルトンキーンズに本拠を構えるレッドブルとのシナジー効果を高めるため、ビスターの人員が強化される。

ドライバーの顔ぶれも変化する可能性がある。角田裕毅の残留の可能性は高そうだが、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)と並び今季唯一の無得点ドライバー、ニック・デ・フリースの先行きはかなり不透明だ。

角田裕毅とニック・デ・フリースは来年もファエンツァのチームに留まるのか?との質問に対してマルコは次のように答えた。

「ユーキは不運な結果やペナルティに見舞われながらも、かなり良いシーズンを送っている。パフォーマンスは素晴らしい。ただニック・デ・フリースに関しては、我々は満足しておらず、検討しているところだ」

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