アルファタウリF1…新首脳会談を経て将来不透明、ヘルムート・マルコ語る
スクーデリア・アルファタウリについてレッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは首脳級会談を経て、現時点ではその将来が明確に定まっていないと認めた。
2022年シーズン閉幕から3週間。レッドブルの創設者兼共同オーナーのディートリッヒ・マテシッツが今年10月に死去した事に伴いマルコは、新たにレッドブルのコーポレートプロジェクトおよび新規投資担当CEOに就任したオリバー・ミンツラフとの会談に臨んだ。
会談についてマルコは地元紙とのインタビューの中で「彼と会うのはこれが初めてというわけではないが、将来について、そしてそれにどうアプローチするかについて初めて会話を重ねた」と説明した。
オリバー・ミンツラフは以前、ドイツ・ブンデスリーガのRBライプツィヒのマネージング・ディレクターを務めていた人物で、今後はF1を含むレッドブル・スポーツ部門の責任者として指揮を執る。
マテシッツの絶対的腹心として5度のコンストラクターズ・タイトルと6度のドライバーズ・チャンピオン獲得に貢献してきたマルコはミンツラフについて「基本的な傾向は我々と同じ」だとして、舵取りが大きく変わる可能性はないとの考えを示しながらも、アルファタウリについては議論の最中だと説明した。
マルコは「アルファタウリのパフォーマンスが満足いくものでなかったとしても、継続性が成功の重要な要素である事は疑いない」とする一方、「我々は洗いざらい分析している最中だ。将来の方向性について見守りたい」と述べ、先行き不透明だと認めた。
チームの存続に関わるものなのか、はたまたレッドブル・レーシングとの関係性に関するものなのか、それとも首脳人事絡みなのか。”将来の方向性”が意味するものは明らかにされていない。
伊ファエンツァを本拠とするアルファタウリはミナルディ買収を経て2006年よりF1に参戦した「スクーデリア・トロロッソ」が前身で、主に若手ドライバーのインキュベーターとして機能してきた。
ホンダとF1パワーユニット・サプライヤー契約を交わした2018年以降はミッドフィールド上位を窺うパフォーマンスを発揮してきたものの、グランドエフェクトカーが導入された2022年はピエール・ガスリーが14位、角田裕毅が17位と、コンストラクター選手権では9位に後退した。
”継続性”という点でチーム代表を務めるフランツ・トストは、18年のクリスチャン・ホーナー(レッドブル代表)に継ぐ17年というグリッド上で最も長い在任歴を誇る。
マルコはミンツラフ会談以前の先月、ドイツ紙とのインタビューの中でアルファタウリ売却の可能性を除外しているが、ホンダが2026年のF1パワーユニット・サプライヤー登録を済ませた事を受け、ヨーロッパではホンダによる買収話が囁かれ始めた。
アルファタウリに不確実性がある一方、レッドブル・レーシングに関しては安泰だ。「我々がレッドブルのフラッグシップチームであることは周知の事実だ」とマルコは語る。
「レッドブル・レーシングは長年に渡って数字、成功、マーケティングの面でセンセーショナルな存在だった。だから、この成功の方向でチームを継続させたいとすぐに合意に至った」