アルファタウリF1、チーム名変更の可能性認めるレッドブル…荒唐無稽でなかった売却話
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レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、スクーデリア・アルファタウリのチーム名が変更される可能性がある事を明らかにした。また、チーム売却に関する話し合いが行われた事を認めた。
RacingNews365とのインタビューの中でマルコは、伊ファエンツァのF1チーム名の今後について問われると「現在、再考中だ」と述べた。
服飾ブランドの不振と”合理的”な名称変更
背景にあるのは、タイトルスポンサーという位置づけのレッドブル傘下のファッションブランド「アルファタウリ」の販売及び販路拡大の伸び悩みにあるようだ。
マルコは「アルファタウリのブランディングは多少縮小されている」と述べ、チーム名の変更を検討する事は「合理的」な判断だと主張した。
かつて「スクーデリア・トロロッソ」の名前を掲げていたファエンツァのチームは2020年のリブランド以降、一貫して「アルファタウリ」のブランディングを全面に打ち出してきた。
だが、2023年に向けてはポーランドの石油大手PKNオーレンと複数年に渡るプリンシパル・パートナー契約を締結。角田裕毅とニック・デ・フリースが駆る2023年型マシン「AT04」のヘイローやリアウイング、ホイールカバーの一部にオーレンを象徴する赤色のアクセントが施された。
ブランディングの縮小についてマルコは「アルファタウリが実際に販売されている地域で我々がレースを行うのは僅かに過ぎない。3〜4カ国ほどしかないんだ」と語った。
ポップアップでない恒久的な実店舗を構えているのはイギリスとオーストリアの2カ国のみで、計4店舗の内の3店舗はオーストリアに置かれている。
話し合われたチーム売却
マルコはまた、英国とイタリアの両方に拠点を持つアルファタウリの運営コストはレッドブルより高いとして、リストラやイギリスへの一部または完全移転を含めて「あらゆる可能性」について検討が行われた事を認めた。
これは創業者ディートリッヒ・マテシッツの死去に伴い、オリバー・ミンツラフがレッドブル社の企業プロジェクト・新規投資部門CEOに就任した事を受けての対応だった。
アルファタウリのフランツ・トスト代表はチーム売却の憶測が流れた際、これを全くの事実無根として一蹴したが、マルコは売却に関しても話し合いが行われた事を認めた。
ただ、フォードとの提携を経て次世代F1パワーユニット(PU)の開発を進めるレッドブル・パワートレインズに触れ、セカンドチームは「不可欠」であり、現時点では「売りに出されていない」と強調した。信頼性と競争力を兼ね備えたPU開発には、複数チームへの供給体制が絶対条件となる。
アルファタウリの立て直しについてマルコは「やるべき仕事は単純だ。より多くの資金を投じてリザルトを向上させなければならない」と述べ、その方法の一つとしてレッドブル・レーシングにおけるオラクルのように、外部のタイトルスポンサーとの契約に触れた。
第2戦サウジアラビアGPを経てアルファタウリは、主に新たなスポンサー獲得を目的としてラース・シュテーゲルマンを商業部門の責任者に起用した。シュテーゲルマンはフォーミュラEやドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)、2010年のFIFAワールドカップ南アフリカ大会や欧州サッカー連盟(UEFA)で商業面を担当した経験を持つ。